私がまだ学生の頃のお話。

その頃の私はよく心霊現象に悩まされていた。

日本髪を結ったお婆さんの顔だけが浮かんでいたとか。

目玉だけがギョロっと見ていたとか。

私だけに火の玉が見えたとか。

そんな頃のお話。

ここからが本題。

ある日、風邪を引いて寝ていたら金縛り。

それもいつものことだから早く解けないかなぁと思ってた。

ふとタンスを見ると、
赤い着物を着たおかっぱ頭の市松人形が
床から数cm浮いた所にいた。

その人形は私と目が合うと、
ニヤリと薄ら笑いを浮かべ、
その瞬間、人形の白い手がスーっと伸びてきて首を絞められたんだ。

お教を唱えたり身体を動かそうと力を込めているうちに金縛りは解けて、
市松人形もいなくなってた。

そんなことも忘れたその年の夏。

田舎のじーちゃんの家に行ってビックリ。

私の首を締めてきたあの市松人形が飾ってありましたとさ。

余談。

その市松人形は髪が伸びるらしく、
切ってそろえてあげているらしい。

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