小学校5年生くらいの時の、
夏休みだったと思います。

私の家から近いばーちゃんの家で、
『あなたの知らない世界』を見ていました。

その時、ばーちゃんとうちの母親は買い物に出かけており、
私はばーちゃんの家で一人でテレビを見ていたんです。

すると突然、電話が鳴りました。

テレビはちょうどCM、
家には他に誰もいないから、
私が出るしかありません。

「もしもし」

と電話に出ると、
電話の向こうから聞こえたのは可愛らしい女の子の声。

多分幼稚園くらいの女の子。

『おかーさん、いますか?』

うちのお母さんのことだろうか?と思い、

「いないよ、今お出かけしてるの」

『おかーさん、いますか?』

何度もそればかりを聞く女の子にちょっとイライラしつつも、

「いないよ」

と繰り返します。

『おかーさん、いますか?』

そこで私は、
もしかしたら自分のお母さんを捜しているのかもしれないと思い、

「お嬢ちゃんのおかーさんのこと?」

と聞くと、
彼女はたどたどしい言葉で、

『お母さん、いないの。
お兄ちゃんは死んじゃったの。
お父さんも死んじゃったの』

小学生ながらにこれは深刻な問題なんじゃないかと思って、
返事をするのに困ってしまいました。

困っている間にも、彼女は何度も

『おかーさんはどこ?』

と繰り返します。

そして段々イライラしてきた私が、

「お嬢ちゃんのおかーさんはここにはいないよ!!」

と叫ぶと、
急に女の子が

「あなたです」

と、低い男の人のような声で言ったのです。
(よくテレビでやってるスローモーションみたいな声)

その瞬間、
私はサーっと全身の血が引く感覚を覚えて、
すぐさま電話を切りました。

テレビのチャンネルを変え、
ばーちゃんと母が買い物から帰って来るまで、
ずっと外に出てました。

ばーちゃんと母が帰って来てからその話をすると、

「気味が悪い悪戯電話じゃないのか?」

と言われましたが…

私もそうだったら良いとは思っています。

でも、この話は今思い出すだけでも鳥肌が立ちます。

女の子は誰だったんでしょう?

最後の方は泣いていたような気がします。

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