偶然にしては重なりすぎて怖いくらいに思えたけど、
不思議な体験というには捻りのない話かもしれない。

人には言えない内容だからここに書く。

二ヶ月近く前に学校で財布を拾った。

中身は三千円くらい。

悪事だということは自覚しながらも、
お札を抜き取ってから財布だけを事務室に届けた。

その日、家に帰ってから熱が出た。

風邪なんて数年振りな健康優良児だったから、
38度をこえる高熱は滅多なことじゃない。

お金を盗んだことでその日は一日中気分が悪くて良心の呵責に苛まれたから、
「病は気から」か、と思った。

三週間くらい前に、また財布が落ちていた。

今度は道端で、
中身を確認すると二万円くらい入っている。

そのときちょうどパソコンが壊れてしまって、
買い替えを強いられていた状況だったので、
悪いと思いつつもまたもやお札を抜き取って、
財布は交番の前に置いて帰った。

その日の夜中、激しい腹痛で冷や汗ダラダラ、
どうしようもなく苦しくて救急車を呼ぶ騒ぎに。
あまりにも痛がるからって色々検査してもらったけど原因は不明。

それで先週、また財布が落ちてた。

この短期間に三つも財布を拾うなんて、
みんな落し物に気をつけろよ!って思わざるをえない。

中身は二万円ちょいだったかな。

でも、さすがにもう中身を抜く気にはならなかった。

そのまま交番に届けた。

それで家に帰ったら、兄が

「新しいパソコン買ったから」

ってお下がりのパソコンをタダで譲ってくれた。

もしもまた財布が落ちていて、
例え十万円入っていても、
そのまま交番に届けると思う。

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