私は霊感ゼロの平凡な人間なのですが、
人生で一度だけ霊体験をしたことがあります。
自宅はマンションで、
私の部屋は廊下に面しています。
なので人が通るとすぐに分かり、
薄手のカーテン越しに
人影がはっきり見えてしまいます。
高校1年の時のことです。
私は私室で
夏休み前の定期考査に向けて
テスト勉強をしていました。
外は酷い雨で
時間も2時半を過ぎたところでした。
流石にもう寝よう、
と思い始めた時です。
トタン、トタン、トタン
キャハハハハ...
小さな子供の笑い声と
スキップしているような軽快な足音が聞こえてきました。
マンションの端に
1台だけあるエレベーター付近から
聞こえてくるようだったので、
同じ階に住む家族が何処かに出かけていて
深夜に帰宅したのだと最初は思いました。
しかし、妙なのは
子供の笑い声と足音しか聞こえないこと。
私は
「親は諌めないのか?非常識な・・・」
と思いつつも、
素早く部屋の電気を消しました。
今思い返すと、
私は何故かその子供に
起きていることを知られたくなかったようで、
声から逃れるようにベッドに潜り込んだのです。
トタントタントタン!
キャッキャッ!
声はどんどん私の住む部屋まで近づいてきました。
そこで私はふと思いました。
何故子供の声と足音だけなのだろう?
何故親の声も何も聞こえないのだろう?
私はただひたすら目を瞑り、
子供が通りすぎるのを待ちます。
あと少しで通り過ぎる!
そう期待し、
ドキドキしながら声が通り過ぎようとしたその時。
ピタリと私の部屋の窓の前で声と足音が止まりました。
・・・・・・。
嫌な静寂が部屋を支配します。
窓の向こうにさっきの声の主がいる・・・。
10cmほど開いた窓の方からは
絡みつくような視線のようなものを感じました。
私は恐怖と好奇心からか、
起き上がって窓の外を見たいと思ってきましたが、
体が動きません。
足を窓の方向に向けて寝ていたので、
起き上がれば自然と窓が正面に来るのですが、
やはり体は石のように動きません。
だんだん、冷静になってきた私は
「今起き上がって窓を見たら終わりだ!
寝ろ!!」
と自身に訴えかけます。
何時間そうしていたかは分かりませんが、
気づけば朝日が差し
起床時刻を迎えました。
朝だと気づいた私は飛び起き、
母に昨夜のことを伝えました。
しかし母は
「・・・まぁ、この年頃にはよくあることやし忘れ」
と言うだけで信じてくれませんでした。
あれ以来、霊体験はしていませんが
個人的には洒落にならないくらい怖い出来事でした。
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コメント
コメント一覧 (13)
とは書いてらっしゃらないから、リアルに住民御家族の深夜の帰宅だったんじゃないかなぁ?
子どもを諌めても言う事をきかないから、親御さんは、より一層、足音を立てないように気配りして、ソゥ〜ッと歩いていただけ。
エレベーター付近から、投稿者さんの部屋の電気が消えたのを見た子どもが、単なる好奇心から(この部屋の人、今、寝たのかなぁ〜)と部屋の前で立ち止まって覗くというのは、ごく普通の子どもの行動に思えます(⌒-⌒; )
窓開けてたとは書いてなかったような?
それに廊下に面してる窓には防犯用の鉄格子みたいなのがついていると思う。
昼夜逆転の子供は少なからずいる。発達障害児とかね。
そういった子が親が寝てる間に一人で自宅を抜け出してたのでは?
10センチほど開いたと書いてあるがな
なんや部屋の窓やなくて社会の窓が開いてたとでも言いたいんかい
また、困ったときにはお母さんに「めしじゃー」と叫んでもらえば、大概の怪異は去って行くものと思われ…
真夜中のマンションの廊下で子供が騒ぐのを親が放置して、その親は自分だけ気配を消すのに徹したと?
そんな気配りってあり??
自分だったら子供を追いかけて口を抑えてでも黙らせるけど…
今は子供の不始末に親は関係ないって考えるのが普通になってるのかな
だとしたら、そっちの方が洒落怖(⌒-⌒; )
でもこのように社会の窓 云々書いて頂けると すんなり気分良く謝れます。
中にはちょっとしたミスを 罵倒されたりしますから
そんな大層な意味合いで書いたつもりはないのですが、言葉足らずで、誤解を招いてしまったなら、すみませんでした。
人間十人十色。親御さんも十人十色。
ですが、お子さんが騒いでいたら、親御さんが咎めて大人しくさせるのが当たり前ですよね。
言う事を聞かなかったら、9さんのように行動でストップかけるか、はたまた怒鳴ってストップかけるか(これだと親子で騒がしいw)
けれど、押さえ込むと益々ヒートアップしてしまうお子さんも、中にはいるでしょうから、
本編の親御さんは、なるべくササッと早く通り抜けてしまおう的な感じで、騒がしいお子さんの分もご自分は気配を消して歩いていた(←ココ、親御さんは、親御さんなりの気配りしているつもり)状況が頭に浮かんだのです。
お子さんを制する事が出来ずに、身を縮めるように歩いている親御さんの姿まで想像してしまい、親御さんが不憫に思えて、尚更好意的に「気配り」と言う言葉を使ってしまったのかもしれません。
※は、なるべく簡潔に、はしょって書いてしまうものですから、言葉足らずになって、すみませんでした。
ですので、9さんの仰る「今は、・・・云々・・・」←イエイエ、普通にはなっていませんから、ご安心下さい。
大抵の親御さんが、子どもが他人に迷惑を掛けないようにと目を光らせていて、何かあったら一心同体と思う気持ちは、今も昔も変わらないんじゃないでしょうか。
不用心すぎる