アメリカのニューメキシコ州に行ったときのこと。
何にもない場所を車で運転してたら
『ケリーズゴーストタウン』と書かれていて、
その方角を示した簡素な看板があった。
ゴーストタウン、
という響きにひかれて行ってみることにした。
そこは山の中腹にできた炭鉱の町だったらしい。
全盛期には4000人ほどが
そのケリーという町に住んでいたらしいが、
炭鉱の衰退とともに人もはなれて行き、
ついには誰もすまなくなってしまったという。
寂れた教会があったり、
半ば崩れたレンガ造りの酒場の建物、民家、などなどあったけど、
どうということはなかった。
がらーんとしているだけで特に薄気味悪くもないし。
ただ、空気が異様だった。
なんというか、
音がまったくきこえない。
無音室(そんなとこ入ったことないけど)に入ったみたいで、
耳の中に綿でも詰め込まれた感覚がした。
むしょうに不快で、
自分で声を出して
「あーあー」
と言ってみたり、
石を投げたりして音を出してみるんだけど、
不快感はますますひどくなっていった。
冗談でなく、
このままずっとこの場所にいたら発狂しそうだった。
発狂までいかなくても、
不快のあまり叫びだしていたと思う。
あと5分もその場所にいたら。
逃げるようにその場を離れたけど、
あんな思いをしたことは一度もない。
なんだったんだろう、あれは。
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コメント
コメント一覧 (7)
そこに住んでた人たちの意識がまだ残っていて、よそ者の侵入を嫌って追い出そうとしていたとか。
炭鉱の町だっただけに、たまたま天然ガスの突出と遭遇して、気分が悪くなったんじゃないかと...思ったり。
多分乾燥地帯で鳥も虫も住めず、囀りや鳴き声もしないのだろう。爬虫類くらいはいるかもしれないが基本的には鳴かない無口な連中だし。
当然河や滝や波打ち際があるわけでもないから水の音も皆無。風にざわめく森林も草原も無いのだろう。
ないない尽くしの無音室。
というのは
ネットとかで調べたのかしら?と言う事は
ちゃんと実在する場所なのかしら
しかし、ゴーストタウンになってから「○○ゴーストタウン」とわざわざ看板作るとは思えないし、まだ活気がある時に洒落で「ゴーストタウン」って付けたのかしら。
ゴーストタウンというのは、人が誰もいないタウンと言う意味だけど、
文字通り、幽霊が住むタウンもゴーストタウンだ
なんか当たり前のことしか言っていない気がする