もう10年くらい前の話になるんだけど
以前まだ美容師見習いの時、
会社の寮に住んでた時の話
そこは横浜の下町感が強い場所で
宜保愛子の地元らしいんだけど
知ってる人もいるかもしれないね
川沿いにあるマンションの部屋を3つほど会社は借りていて
2Kの部屋に3~4人で田舎から出てきた若手のスタッフは住んでいた
大体どの部屋も
スタッフの一番上の先輩スタッフが一部屋を使って
残りの一部屋を使って寝るって感じ
部屋と部屋の間はすりガラス一枚のスライドドアで繋がっていて、
仲が悪くなければいつも開きっぱなしで仲良く過ごしていた
オレの部屋もそんな感じだったんだけど
同じ部屋のスタッフはよく彼女の家やら外泊ばかりで
ほとんど一部屋丸々使っていた
その位ゆるい規則でもあった
部屋の中では一番年下でほぼ毎日一部屋を使い
寮の中では一番年上の先輩と同じ部屋で過ごしていたんだけど
その先輩はゲームが好きでほぼ毎日夜中までゲームをやっていた
オレはそれを見ながら話して一緒にプレイしたり、
職場のグチをいったり、相談に乗って貰ったり、
仕事で凹んだことがあったら話さずにそのまま落ち込んで寝てたり…
まぁ、自由に過ごしてた
ちなみにオレの部屋は
もう1人の先輩も一応住んでいる事にはなっているので
二段ベッドがあって夜中にフラッと帰って来ることもよくあったので
ちゃんと二段ベッドの上で寝ていた
ある日、帰ってきても
先輩は誰もいなくてオレも仕事で疲れてたから
風呂に入って先に寝た
しばらくしたら隣の部屋の先輩が帰ってきた
『帰ってきたなぁ』
と思いながらも
もう挨拶も面倒でそのまま寝たふりをして気づかないフリをしていたら
先輩も荷物を置いて早速ゲームを始めた
\ウィニングイレブン/
ゲームから聞こえる歓声、実況
コントローラーのカチャカチャ
先輩の呟き
寝ようと思っていても脳が冴えていく…
それでも起きるのも面倒だし
その内寝るはずと思い
そのままベッドで寝ていると
突然入り口の扉の開く音が聞こえた
『今日は(もう1人の部屋の)先輩も帰って来たんだ』
と思ってたんだけど
ただいまーの声も無いし、
入り口から入ってくる音も聞こえない
音だけの情報だと入り口でずっと立ってる感じ
どうしたんだろ?
と思ってると突然
ズリッズリッ
と這いずった音でゆっくりこっちに向かってきた
一瞬で先輩ではないと感じ、
誰だと思い頭を上げた
だけど頭は動かない。
目だけが動く
その代わりに
足元から金切り音が首に向かって上がってくる
隣の部屋でゲームをしている先輩は
まだゲームに熱中している
気付かないのか?
そう思い先輩を呼んだ
○○さん!
唇が動かない
その間も金切り音は
三回ほど足元から首に向かってゆっくりと上がってきた
呼吸も苦しくてヒューヒューしてるのに
先輩は気づかない…
また金切り音は
足元から首に向かって上がってくる
だけど今度は首を抜けゆっくり耳元を通過し、
頭頂部まできた
這いずる音は止まっていた
二段ベッドの上から見た部屋の端っこで
ヘビのように這いつくばった女がいた
這いつくばっているくせに
長い髪ごしに地面に顔を乗せてこっちをじーっと視ている
キーーーーンという音がゆっくり大きくなっていくと同時に
またこっちに向かって這いずり始めた
ゆっくりゆっくり
オレは必死に先輩を呼ぶけど
ヒューヒューとしか出ない
二段ベッドのハシゴに女は手を掛けて登って来た
足元からゆっくりと這い上ってきて
ゆっくりゆっくりとオレのお腹に顔を乗せてきた
無表情で口元だけははっきりと
口角を引っ張ってじーっとこっちを視ている
そしてオレの顔に向かって手を伸ばそうとした時
「クッソ!!!」
先輩はウイニングイレブンで負けたらしい
声を飛ばした
と、同時にオレも
「○○さん!」
と叫んだ!
叫べた
女も同時に消えていた
先輩はオレが叫んだ事にびっくりしていたが
何が起きたかを話して
2人で隣の寮部屋に移動して寝た
しばらくして寮を出たんだけど
ちょくちょくその部屋にはいたらしい
その時は疲れから金縛りで夢を見た事にしてたんだけど
きっと今でもあの女はいるのだと思う
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コメント一覧 (6)
サイレントヒルザルームの序盤に出てくる
地面すれすれでうねうね動く女が
めちゃ怖かった