6月初めに友達と「旅行に行こう」って話になって、
家には犬が居るんだけどペットホテルに預けるのは可哀想だし
一緒に連れて行きたかったのと、
ご飯が美味しい所がいいと思って
ペットと泊まれる某雑誌を見て関東近郊であちこち探したんだ。

そしたら山梨県にあるテラスハウスみたいなのが
何棟もあるタイプでご飯のレビューも高いホテルを見つけた。

ネットで予約して旅行当日になり、
ワクワクしながらナビをセットして車で向かい
河口湖のインターで降りて
富士急ハイランドを通り過ぎ数十分走り大きな交差点に出た。

交差点を左に曲がり
ひたすら真っ直ぐ進み電波も街灯もない道路を直進していく。

何だか気持ち悪くなってきて

「こんな方向にホテルなんてあるのか?」

なんて言いながら進んだ。

どれぐらい走っただろうか、
いつの間にか山道が険しくなってきて
周りに山小屋やら廃ホテル?やら左側一面墓場だらけの場所に出た。

あまりにも気持ち悪くて
道を間違えたんじゃないのかと思ったが
とりあえずほぼ一本道に近い道路で仕方なくナビ通りに進む。

30分ぐらい進んだら
予約したであろうホテルらしき場所にたどり着き
ボーイが出迎えてくれた。

そこは受付と泊まる棟とご飯を食べる場所が全部別々になってる変わった形態なんだけど、
とりあえず16時にチェックインを済ませ
自分達の泊まる部屋に荷物を置き外に出て犬の散歩をして
他の客の連れた犬達と遊ばせて
また部屋に戻ってくつろいでいた。

18時30分頃に食事に呼ばれ
食堂に移動。

この時外は街灯の意味無く真っ暗。

というか周りはほぼ暗闇。

ちなみにご飯は凄く美味しかった。

何だか夜の散歩する様な気分でもなくなり
部屋に戻り1階のリビングでTVを見て居たんだけど、
せっかく旅行に来たんだし風呂に入ろうかって話になって
2階にある露天風呂にお湯を入れに一人で上ったんだ。

部屋の作りとして
1階にダブルベッドとリビング、外に犬が遊べる庭。

2階にはシングルベッドが2つあり
露天風呂と室内風呂がある。

窓は開放的な感じで
1階も2階も全面ガラス張りで森の中が丸見え。

妙に気持ち悪いから
ブラインドカーテンを隙間無くきっちり閉めようとしてベッドに乗り
ブラインドカーテンを閉め

「さてお湯でも入れるか…」

振り返ると
シングルベッドとシングルベッドの間に居る茶髪のパーマの男。

「え…」

心臓が止まるかと思った。

咄嗟に婆ちゃんが毎朝仏間で唱えてた
「南無妙法蓮華経」の部分のみを口ずさみ
お祓いを試みたらそれは瞬きしたと同時に消えた。

私が戻って来ないのに心配した友達が2階に上ってきて
丁度その状態を見られ

「え、何してるの?怖いから帰ろう」

と言われたんだけど
せっかく高いお金を払って来たんだしと思い

「大丈夫だよ」

と言って露天風呂に入った。

さすがにあんなのを見たから2階に寝ようとは思えず、
風呂上がりは1階でくつろいで
ソファーに座ってTVを見てたんだけど、

「記念に写真撮ろうよ」

ってなってスマホの内側カメラにして撮ろうとしてたら
犬が急にソファーから降りて
玄関の天井付近に向かって吠え出した。

さっきの件もあって少し怖かったのもあり
スマホを置いて犬を抱っこしてソファーに戻ろうとしたら

“カシャッ”。

誰も触ってないのに
勝手にカメラのシャッター音が鳴った。

友達もビックリして

「何か勝手にシャッター鳴ったんだけど…」

って言ってきた。

画像履歴を見ると
何かピンクっぽいのが撮れてて
気持ち悪いからすぐ消した。

気を取り直して
再度ツーショットを撮ろうと試みる。

で、画像確認したら
私と友達の顔がブレて
真ん中にはっきり茶髪パーマの顔が写ってた。

これはヤバイと思い
友達に見せず即削除して

「帰ろうか」

と言って23時頃に
“仕事の都合で”とホテルに言い、
逃げる様に帰宅した。

後日別の友達にその話をしたら

「画像が見たい」

と言われて

「もう消しちゃったんだけど」

とは言ったものの、
画像復元アプリなるものがある事を知り
恐る恐る復元してみたら
私と友達の顔がブレたあの写真は復元されず、
ピンクっぽい画像のみが復元された。

よく見たらその画像は
人の鼻から顎辺りのドアップがピンクがかったものでした。

後に調べたらそのホテルの先には自殺の名所がある樹海だそうで、
もう二度とあのホテルには行けません。

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