半ボケの80歳を迎えた祖父が亡くなった時の話。
頑固な爺さんで、
絶対に息子夫婦の世話にならないと言って、
築70年くらいの家でずっと一人暮らしだった。
家を取り壊すからってんで、
遺品とかの整理をしにボロ屋に行ったんだよ。
庭なんか荒れ放題。
荷物を外に出す時に草が邪魔だってんで、
適当に雑草とかを始末しようとしたんだ。
そしたら、
石に足をぶつけて転んでしまった。
なんだよもぅ、とか思って、
地面からひょっこり隆起してる石を見るとさ。
なんか、石なんだけど耳みたいのがついてるんだよ。
よく見ると耳どころか顔までついてる。
掘り返してみたら、
すげぇ古いお地蔵さんが出てきた。
それも一体じゃなくて、
六体(もっと掘ったらまだあったかも)。
そんなに広くもない庭からごろごろ出てきたんだ。
うへぇと思って、
家族全員で気味悪がってたんだが、
おかんだけそのお地蔵さん達の額をじーっと観察しながら、
真っ青な顔をしていた。
どうしたの?って聞いたら、
「このお地蔵さん、
額に私達の名前が彫ってある……」
泥をちゃんと拭き取って、
よぉく見てみると、
確かにひらがなで俺らの名前が掘ってあった。
雑な彫り方だったし、
たぶん爺ちゃんが自分で彫ったんだと思う。
でも最近思うんだが、
老人が一人でこれだけの数の地蔵を運んで埋められるとは
考えにくいんだよな。
ちなみに婆ちゃんは
親父を産んで2年で亡くなってる。
若い頃に埋めた?
でも孫の名前まで書いてある。
本当に意味がわからない……
その後俺達に特に何があったわけでもないんだけどさ。
千葉県。
家はもうないけど場所はまだあるよ。
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コメント
コメント一覧 (9)
じゃなくて〜〜お地蔵様の額に名前。
お地蔵様は放置?
庭のお地蔵様は、お祖父さんが結婚前の若い頃に彫って、それを埋めたのかも知れません。
未来を視る人だったのか?タイムトラベラーか?何にしても、そんな能力を持ってる事を人に知られたら大変です。特に第二次世界大戦の頃に「日本は戦争に敗ける‼」などと言ったら無事では済みません。
子や孫の誰かに、その事を伝えたかったのかも……
誰が呼んだか別名死招き地蔵、今だにそこでの自殺者が絶えないとか、誰か確かめてくれんかな?
きちんと法力がある僧侶が開眼させてない地蔵はただのヒトガタ。不浄なものの溜まり場になる。
踏切や道路脇の事故現場にありがちな
設置してからも事故多発地点にある地蔵は開眼されていないものだろう。
本人が居ないからどういう意味でかは知らんけど悪意はないだろ。
じいちゃんの墓に置いてあげたら喜ぶんじゃない?