彼女の父親は、
家から少し離れたところにある集会所の管理を任されていました。

ところがある時から、

「こんな夜遅くに何やってんだ!」

という苦情が引きも切らずに来るようになったそうです。

そんな苦情の来るような時間帯に使用することは有り得ないし、
よしんば有ったとしても、
苦情の来るほどの騒ぎをする訳はありません。

それでも念の為に…と、
集会所の鍵を持っている人に問い合わせても、
みんな知らないと首を振る。

鍵を人に貸したことも無いと異口同音に言われ、
彼女の父親は困り果てました。

それでも、もしかしたらどこか、
鍵が壊れているような場所が有って、
近所の悪童たちでも好き勝手しているのかもしれないから…と、
友人の父親以下数人で、
深夜に集会所まで確認にと出向きました。

が。

…目の前の状況に、
みんな身の毛がよだったそうです。

集会所の中は電気も着いていません。

なのに、複数の気配が有るのです。

闇の中に何かが動いているような風情も感じられます。

中の一人が覚悟を決めて玄関の鍵をそっと開け、
電気をつけました。

…誰もいません。

人がいた様子も無く、
建物の中はひんやりとしたままでした。

しかし、皆が遠目からでも感じた気配は、
気のせいなどどいう単語では片付けられず、
手分けしてさほど広くも無い建物の中を隅々まで調べました。

でも、なにひとつ見つけることはできませんでした…。

翌日、関係者を集めて、
天井裏から床下まで、
徹底的に調べる事にしたそうです。

その大捜索の結果、
天井裏の中心部の柱や屋根にも、
びっしりとお札が…。

それらは全て即剥がされ、
柱は丁寧に磨かれました。

それ以来、
深夜の集会が開かれることは無かったそうです。

あとで調べたところによると、
彼女達の地区が借りる前は、
新興宗教の団体がかなり長い間そこを使っていたのだとか。

…しかし、一体何が集まっていたんでしょうか。

それにしても、
呼ぶお札、招くお札も有るのですね。

皆様、お気を付け下さいませ…。

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