神秘的な意味で怖いわけではない話。
近所にこんな六歳児が居る。
よく遊んであげていたその子が
或るとき背後から
「ねえねえカマキリを捕まえたよ」
と声を掛けて来た。
「ほうよくやったね」
と振り返ってみると
何かがおかしい。
六歳児の手に乗った
文字通りなぜか虫の息のカマキリをよく見ると
どこか奇妙に手足が短い?
すると彼は
おもむろに斧をスポッと引っこ抜きつつ。
「こいつ手足を外して
又ちゃんと差し込んだんだけどさ
なんか元通り動かないんだよねー」
こう訴え掛けて来た。
よく見るとカマキリは四肢をちぎられ
接合部のソケット?へ
無理に関節を差し込まれた状態にされていた。
おい、なんだこれ・・?
彼はそれには直接答えず
「やっぱしっかりくっ付けなきゃダメなのかなー」
一言ごちた。
怪訝な様子のこちらには構わず
彼はセロテープを取り出し
四肢を胴へくっ付け始めた。
「よし完成
これで今度は動くはずだ」
もちろん動こうはずも無い。
「何だよー
くっ付けたんだから動けよこいつ」
しまいにカマキリを叩き始める六歳児。
さすがに彼の手を制して言った
「あのな、玩具じゃない、
生き物なんだよカマキリは」
「どうして生き物だと動かないの?
くっ付けたでしょ」
「君だって手や足をどこかにぶつけてケガすると痛いだろ?
手や足がちぎれちゃうともっと痛いんだ。
動けなくなるのも解るよな。
カマキリだって君と同じで痛いんだ。
生きてるってのはそういうことなんだよ」
「うーん
あんまケガしたこと無いから解んないや」
「でも少し痛かったことくらいならあるだろ?
体ってちょっとぶつかっただけでも痛いよな。
それが痛いどころじゃない、
ぶつかったとこからズブズブと裂け、
体のどっかがもげちゃうんだぜ?
ボキッとさ。
そりゃ痛いよ、解るよな」
「もげたこと無いから解んないし」
「君も今に解るよ。
とりあえず獣医さんにでも連れて行こう、
その後は治るまで面倒を見るんだ。
もし助からないなら死ぬのを見届けるんだよ」
「えー関係無いじゃん
みんなゴキブリ殺してるよー」
「そういう問題じゃないって。
生き物を大切にしろってことだよ」
「解らないなー
虫を殺しちゃいけない決まりなんて無いんでしょ」
「いいか、目の前の生き物を大切に出来ないでいると
必ず人間のことも大切に出来ない人間になっちゃうんだよ」
「人間と虫じゃ違うじゃん」
「同じだよ、どっちも生きてる」
以下略
未就学ではしょうがないとの意見もあろうが
一昔前のというか健全な感性からは信じられない話だ。
で何処が怖いかって近隣地域に限ってか限らずか
近年こうした類例が急増している事態がです。
それは負の新人類の密やかな足音なのかも知れないと思ったりする。
生物の逆進化。
近場にこういうのは居ませんか?
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コメント
コメント一覧 (32)
生き物を玩具にすると言うのは、確かに残酷な行為なのですが、肉食動物の幼獣はよくやっている事で、そうやって獲物の狩り方を覚えていきます。この生き物はすばしっこくて捕まえ難いとか。この生き物は毒を持ってて、刺されたり噛まれたりしたら命とりだとか。
人間と動物は違うとおっしゃられる方も多いと思いますが、人間もかつては狩猟をして食糧を得ていたのです。そして、それは主に男の仕事。だから小さい生き物を玩具にして遊ぶのは男の子が多いのは、その本能が今も残っているからでは?と私は感じています。
投稿者の方の言うように、この少年が将来人の痛みの解らない人間になるか否かは、その後の親の育て方や、この自身の経験や人間関係によると思いますが、一概にこの少年が粗暴で冷酷だとは私には思えません(子供故に無知であるとは言えますが)。
長文失礼致しました。
『何してるの?』(カマキリを・)
『アンパン~チ!』(なんで?)
『ゴキブリ小僧、ダダンダンで踏み潰すで?は?虫と人間は違う? 姿はな。ただ貴様は虫けら以下 。カレーパン~チ。』(やめてよ~)
『わかったか!一寸の虫にもジャムの魂じゃ!』(参りました~)
『ではバイバイキーン』がプロじゃな。はよ僧侶になれ。以上🐴🐷
それが証拠に、生き物殺しや児童の間でのいじめや、その他諸々はずっと昔からありました。戦前から、大正時代から、明治時代から……。むしろ、いろいろな文献や回想録なんかを読むと、昔の子供の方が今よりずっと残虐でしたね。「我々はそうして命の大切さを学んだ」なんて、ただの言い訳ですよ。
左翼の人にわかりやすい例えで言うなら、そうやって命のすばらしさを学んだはずの昔の人が、なぜ戦争や虐殺を繰り返したのかね?
今の子供の方が昔よりまだおとなしくなっています。
今後もエスカレートするか見もの。
元に差し戻したり・セロテープでくっつけて、再生させようとした、
子どもの無邪気な慢心さですよね(´・ ・`)
※1.さんや※6.さんの仰る通り、経験から学ぶのは、大事。
と、自分が痛い思いをした事がないと、他者の痛みも分からない人になっちゃいますよね。
兄弟喧嘩や、子ども同士のたわいもない喧嘩・・・ぶったり、蹴ったり、髪の毛引っ張ったり・・・そうした中で、[良い加減]を自分なりに学ぶんじゃないでしょうか←やたらと過保護が過ぎて、それらも難しい今日この頃だけど。
勿論、色々な経験値が低いからって、おかしな大人になる訳じゃないですけど。
あと、無益な殺生をして遊ぶ子供は昔から一定数いたが、対象が虫から動物に変わったらどんどんエスカレートしていくのでやばい
斧を持ち歩いてんだよw
とりあえず、
自分の手足を切断して
くっつくか試してみなw
結局6歳児を納得させる上手い諭し方もできてないし
こんなのは餓鬼は昔から普遍的に存在してるし、一概に云々言うのはただの思考停止、歴史錯誤も甚だしい
それに診察費が初診で数千~万単位かかるけど報告主払う気あるの?
…カマキリの鎌の部分を引っこ抜いた、みたいな文章だったんじゃなかった?私も一瞬見間違えたけど(笑)
Oh No!
ユーの言うとおり
「蟷螂の斧」ことわざがあるしねw
カマキリの前脚が、
斧か鎌かは微妙だけどw
話の本質には関係ないか(^^)でも、諭し方が素晴らしいと思います。俺なら声荒げちゃうもん
親が教えるべき痛みや命はもっと早くから教えてるべきだと思うのですが・・・
大人になって極道になり指名手配…
生き物の命を大切にしない者は一生畜生道に迷います。
直接さわったり解体するのは人体へ寄生する事もあるので危ないですね
基本的な感性で
残酷性や痛みや命に対しての考え方も違うんだけど
その違いはなんだろうね。
痛みに対して敏感で逃げる子供もいれば
逆にこういう子供も珍しくないと思う
蟻捕まえて触覚だけ抜くつもりが胴体ごと引きちぎってしまってまた他の蟻を…の繰り返し。
色々蟻に対し酷いことしてきましたが、
ある時から自分の行いに後悔するようになりやらなくなりました。
この話にある子供のように大人にたしなめられてもよくわかんない子でしたが…。
この子供がいつか残酷な遊びを後悔してやらなくなってるといいですね。
偉いと思うよ。他人の子供を叱れるのって古き良き時代の遺物かね。