オレが小学生の時のはなしでも。

当時微妙に「こっくりさん」が流行っていて、
うちも例に漏れず
こっくりさんをやっていた。

ある時、私の姉の学年で、
昼休みに女子がこっくりさんを行っていた。

ところが、儀式が長引きすぎて、昼休みでは終わらず、
5時間目が始まるからと先生に無理矢理止めさせられた。

行き場のないこっくりさんは、
女の子の体を媒体に暴走した。

5時間目は「図画工作」、
その日は彫刻刀をもちいて
巨大な蝋燭に飾り模様を入れるという単元であった。

刃物というのは、たやすく人を殺せるため、
それ相応の分別がある人間でなくてはあまりに危険すぎる。

そして惨劇は起こるべくして起こった。

昼休みにこっくりさんをやっていた女の子の1人が突如立ち上がり、
前の席の子の背中に思い切り突き刺したのだ。

先生も相当狼狽したらしく、
何にどう対処していいか分からなかったが、
先ずは刺した子を抑えて、
児童の1人に保健の先生を呼びに行かせた。

すぐさま救急車が学校に到着、
刺された子は病院に搬送された。

以来、オレ達は興味本位でこっくりさんをやることを止めた。

「こっくりさん」の話題を出すことさえ憚られた。

今になって心配なのは、
そのとき誰も「憑依していた何か」を
払って(鎮めて)いないことだ。

幸いにも、
今のところこの話には後日談はないが。

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