私、不眠症なので一時、
良く夜中(深夜1~3時くらい)に散歩に出たりしてたのよ。

で、大体決まったルートがあって、
コンビニに寄って雑誌とか立ち読みして飲み物とか買って、帰宅して……
って感じだったんだけど、
ある日、いつものルートを通っていたら、何か、
「タタンッ、タタンッ!」
ってリズミカルな音が聞こえてきたんだわ。

こっちは不眠症だから、
逆にちょっとハイになってて、
そんなに恐いとかその時は感じなくて、

「なんの音だろう?」

って寧ろ好奇心の方が優って、
引き返したりしないで、
そのままいつものルートを進んで、
音のする方に近づいていったんだ。

で、段々音が近くなって、
音の発信源……に着いた、と思ったら、
人が居たんだわ。

なんて云えばいいんだろう。

全くの無表情で道路の真ん中で
反復横跳びをやってる人が居て、
その時の靴の音が「タタンッ」って音だったんだ。

それだけでも、
今思い返せば結構恐いんだけど、
その人がタタンッって横飛びする度に、
街灯に照らされて、
その人の手元の辺りがキラッと光るんだよね。

ん?って思ってよくよく見てみたら、
その人、出刃包丁を持って反復横跳びをしてたんだ。

無表情で出刃包丁を持って、
深夜に反復横跳び……なもんだから、
流石に冷や汗が出ちゃって、
あたかも道を間違えちゃったような体を装って、
さりげなーく、その場から離脱したんだけど、
あれは何か呪いの儀式とかなんだろうか……?

それとも、ちょっとアレな人なんだろうか?

未だに分からない自分の恐い体験です。

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