俺が生まれる前の親父の話。
家では犬を飼っていたんだけど、
散歩は親父の仕事で、毎日決まった時間、
決ったルートを通っていたそうだ。
犬は決まって親父の左側を歩き、
決して右側を歩く事はしなかったんだそうだ。
これは親父が躾けたわけじゃなく、
いつの間にかそうなっていたらしい。
それが不思議で、
無理に回り込んで犬が右側に来るようにしてみたらしいが、
ことごとく左側に戻ってくる。
それがかわいくて、
それ以降はずっと左側。
ところがある日、犬が右側に。
親父も驚いたし違和感もあるので、
何度か左にしてみたが、やはり右側へ。
不思議に思ったけど散歩へ出かけた。
最初の路地を右へ曲がろうとした時、
右から来た車に犬がはねられ即死。
親父は咄嗟に、
俺の身代りになる為に右側にきたんだと思ったそうだ。
口から血を流して死んでる犬を、
世間の目もはばからず
抱きながら号泣したそうだ。
子供の頃聞いた話だが、
聞いた時は俺も大泣きした覚えがある。
それ以降、我が家には犬がいなかった事は一度も無い。
何か守られてるというか、
優しくなれると言うか、
動物は不思議だよな。
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コメント
コメント一覧 (7)
感動しました!!
犬ってとても愛情深い存在だと思いますよ。
我が家の愛犬も私達に沢山の愛をくれました。
お父様を守ってくれた子も大切にしてくれた、お父様を愛していたのでしょうね。
記事の評価に五つ星をつけたのは…
体験者さん(の父)や他にも御自分にとってかけがえのない存在を失ってしまった人たちが、もう二度とこんな悲しい思いをしないでほしいことと、これからはずっと良いことだけが続いてほしいことを、心の底から祈るために…
絶対に人様を不幸な目に遭わせないよう、オレも全てにおいて気をつけるから……
(イヤ…別に今まで何かした訳ではないけど…)
頭に血が上りかけたとき、この話や今回のコメの人の話を思い出すから……
イヤ…スマン。長くなった。皆様の今後の幸せだけを願い、オレはこの辺で失礼するよ…
読み終えてなんとも言えない感情なんだが。