その日の夕方にあるお通夜に必要なものをそろえに
倉庫へ行った時のことでした。

そのフロアは昼間でも薄暗く、
霊安室もあるので職員皆苦手でした。

その日も霊安室には
故人様がいらっしゃいました。

その方の湯灌がまだでしたので
倉庫には空っぽの棺桶がおかれていました。

ちょうど出勤する前に
怖い話を見ていた自分は
妙に神経が立っていて
テンションが異常だったことを覚えています。

そこで何を思ったか
普段は触らない棺桶を開けてみてみることにしました。

(中になんかいるかもな~w)

と、思ったので
ノックしてみることにしました。

コンコン

当然返事はありません。

一気に興ざめした私は
中を見ずに倉庫を出ることにしました。

…しかし扉があきません

内心パニックになりつつ
ガチャガチャとドアノブをゆすりましたが
びくともしません。

その時背後から

コンコン

そのあとのことは覚えていません。

家でした。

同僚に聞いてみたところ
何もおかしい様子はなかったと

私は今でも葬儀屋で働いています。

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