この前、臨死体験しました。

工事現場で鉄パイプみたいなのに頭打って気絶したんです。

よく、臨死体験って、お花畑が見えるってあるじゃないですか。

あれ、ホントに見えるんです。しかも、通称「三途の川」でしたっけ?

それらしき川も流れてるんです。それで自分は荒れた褐色の大地に
立っていて、川を挟んで向こう側にきれいな黄色いお花畑があるんです。

向こうでは、自分の懐かしい友達や家族などがたくさんいて、
こっち側は俺一人だったんです。そしてみんな俺に手招きしてるんです。
けど自分は分かってました。「ここで行ったら死ぬな」と。

なので、自分は振り返って、向こうの黒い穴を目指して必死で走ったんです。

自分は「死にたくない」という心がホント強かったせいか、逆に、
お花畑の方が怖く思えて、それからずっと振り向かなかったんです。

そしたら、自分の前に一人の少女が立っていました。無視して
通り過ぎようとしても、何故かできなくて、気が付いたら自分は
少女に話しかけてたんです。「君は誰?」少女は言いました。

「ただの夢の中の女の子よ。あなたはただ夢を見ているだけだから、
別にこれ以上進む必要はないよ。むしろ、向こうの黒い方に行くと
良い夢が悪夢に変わっちゃうから、ここでじっとしてた方がいいよ。
あたしも今、きれいな白いお姉さんにそう言われて待ってるの。」


自分は、その言葉を聞いて脱力しました。

「何だ、夢か・・・」

そして自分は、その少女と雑談しながら、しばらくそこに居ました。

するといきなり少女がフッと消えたんです。自分は辺りを見回しましたが
見当たりません。自分は、夢なのに何故か不安になりました。

すると、何かお花畑の方から声がします。「・・けて・・・助けて・・・」

あの少女の声です。

自分は、我を忘れてお花畑の方に走りました。

すると、そこには先程とは全く違う光景がありました。

そこは地獄のようでした。あの少女は、串刺しにされ血だらけになり
目をキョロキョロさせ、何か自分に訴えてるように見えました。

そして、少女の後ろには、白い服を着た自分の家族、友達などが、
何とも不気味な笑顔でこっちを見て、手招きしてきます。


自分は確信しました。「これは、夢じゃない!」

こんな怖い体験は初めてで、自分は泣きながら黒い穴の方に
無我夢中で走りました。途中、変な顔がいっぱい見えましたが、
自分はそんなのに恐怖も覚えず、ただ後ろの恐怖に怯えてました。

そして、気が付くと、自分は病院にいました。そして何とそこには
白い服を着た女が数人、立っていたのです。自分は、「うわあ!」と
叫んで退きましたが、よく見ると看護婦さんでした。ホッとしました。

しかし、このような体験はホント初めてで、起きた時は汗だくだくでした。

そして、自分はこの話を友達皆に話しました。

しかしみんなは、「臨死体験とか羨ましいなー」とか言って、
まともに受け止めてはくれません。

ただの夢だったのでしょうか?しかし、自分がもしあの時、三途の川を渡って
お花畑の方に足を踏み入れていたら、自分はどうなってたのでしょうか?

次見たら多分、ショック死で死ぬと思うので、気絶だけは逃れたいと思います。

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