9年前の話。

誰にも話さずにいたけど、
ふいに思い出したんで書いてみる。

当時中学生だった俺が、
塾の帰りにチャリで走っている時の出来事。

8月の頭、夕方だった。

母校の小学校の脇を走っている最中。

十字路の角から何かが曲がってきたので、
当然車だと思って路側帯側に寄った。

ハイエースくらいの大きさだったけど、
車じゃなかった。

戦車みたいに角ばった体で、
黄緑の毛むくじゃらのカバ?みたいな生き物だった。

目を疑ったが、
それは4トントラック並みの
鈍くて低い音立てて駆けてった。

思わずチャリにまたがったまま立ち尽つくしていたが、
そいつの後ろ姿が見えなくなったころに我に返った。

そいつと出くわしてた時、
時間が止まっているような感覚だった。

絶対頭おかしいと思われるので今まで黙ってたけど、
俺の人生で唯一の不思議な体験。

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