京都で私が見た話を一つ。

随分前ですが、
学生時代私は北大路に住んでいました。

下宿だったので、
お風呂がなく銭湯に行っていたのですが貧乏だったので、
銭湯代をけちるため、
四条大宮の方に下宿していた姉のところに
毎晩のように夜中自転車で通っていました。
(姉の所にはお風呂があったんです)

時間は夜11時頃だったと思います。

二条城の前を自転車で通り過ぎようとしたところ
前の方に一人の女がいたのです。

私はジョギングしている人だろうと思い、
気にもとめていなかったのですが
近づくにつれ何か変だなぁと思うようになりました。

その女の人は私と同じ方を向いていたのですが
(私が女の人の背中から自転車でぬく感じです)

どうも前の方に向かって走っている感じではなく
後ろ歩きで私の方にゆっくりと近づいてくる様なのです。

変わった練習方法だなぁと思いつつ
自転車でどんどん近づいていくと
服装がジャージではないことに気づきました。

白いスカートのような感じだったと思いますが
なぜかあまり服装は覚えていません。

そして黒い髪の毛が
腰のあたりまでダラッとのびている様な感じです。

鞄とかも持っていません。

後ろ歩きでこちらに歩いてくる様子はかなり異様でしたが、
はっきりと前にいるので幽霊だとは思えませんでした。

何しているんだろうと思いましたが
変な人には関わらないでおこうと
自転車のスピードをはやめました。

いよいよ女の人に近づき
横を通り抜けた瞬間
やはり気になって後ろを振り返りました。

足下の方から目に入ってきました。

つま先がこちらの方に向いています。

なにげに視線を上の方にあげていくと
顔がある部分は
なんと背中から見たような
真っ黒な髪の毛が垂れ下がっていました。

映画の貞子のような感じですが
目すらも見えませんでした。

髪の毛ばっかり!

私はその瞬間前を見て死にものぐるいで
自転車をこぎまくりました。

あれは何だったのでしょうか。

その後も銭湯代をけちるため姉の所に行きましたが
時間帯を早めたり
道を変えたりしたので
同じものを見ることはできませんでした。

私が見た中で一番怖かったものを書きました。

あれが人間だったのか幽霊だったのかわからないけど
見た時は本当怖かったよ。

人間だったなら
頼むからあーいう怖い行動をとるのはやめてほしいです。

本当になんだったんだろ。

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