俺、震災で友だち亡くしてんのよ。

で、震災の少し前に、
その友だちと町で遊んでいたときに、
不意にソイツが俺のことをケータイのカメラで撮ったのな。

「おもしれー顔」

とか言って。

そして、あの日。

お昼過ぎにソイツからメールの着信があった。

忙しかったんで、
中身見るのは後でと思ってたら、
でかい揺れ。

その後の混乱はみんなも知ってのとおり。

俺の住んでいた町は壊滅的な被害を受け、
ソイツは行方不明。

たぶん、波に飲まれた。

遺体は見つかってない。

震災からしばらく経って、
ようやく落ち着いた頃に、
あのメールの事を思い出した。

震災後に家族や知人とやりとりした
何十通ものメールの中に埋もれていた、
アイツからの最後のメッセージ。

タイトルは『あんときの』。

本文は無くて、
写真が1枚添付されていた。

ちょっと驚いた感じのマヌケな顔した俺。

バックには、
もう思い出の中にしかない生まれ育った町並み。

確かに、あんときに撮られたヤツだ。

そして、俺の隣で楽しそうに笑っているアイツ。

なぜか2人で写っていた。

不思議と思うより先に、泣いた。

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