趣味で時々釣りをしているんだ

それでその日も釣り道具と
途中で食べるつもりでおにぎりを持って近くの池にいった

ところが坊主でやる気を失って、
なんとなく上流を目指すことにした

整備されていない薮の中を
ひたすら川沿いに歩いて行くと違う池に出た

未開発ポイント発見!と意気込んで、
足場を固めるとさっそく釣りをすることにした

爆釣とまではいかないが、
大小あわせて4匹釣れた

まあ、小の方が多いんですが
それでそろそろ日も暮れてきたし、
帰ろうかとすると右足に違和感を感じた

なんだろうとみると、
紙みたいな真っ白な手が
池の中から伸ばされ自分の足を掴んでいた

とたんにパニックになって逃げようと足を引くと、
そのままずるずると池の中から
どこまでも「腕」だけが出てくる

肘とかもなく、
ただ一本の柔らかい棒のような腕がずるずると・・・

慌てて荷物を掴んで逃げようとしたが、
おいてけ堀の話を思い出して
魚の入ったバケツを池にひっくり返し、
ついでにおにぎりも池に放り投げて逃げた

一度も振り返らずに元々釣りをしていた池まで逃げた後、
恐る恐る足を見るがもう手は消えていた

その代わり、真黒な手痕が足首についていた

靴下も完備だったのに
なぜか皮膚に付いた手痕は一週間ほど残った

それ以来上流の池にも、
いつも近くに池にも行っていない

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