小学生高学年の頃
女子の間でこっくりさんが流行っていた。

私も流行りに漏れず
休み時間や放課後などにキャーキャー騒ぎながら
こっくりさんで遊んでて、
その日も放課後教室に残って数人の友達とこっくりさんをした。

色々質問してそろそろ帰ってもらおうかって話になり、

「こっくりさんお帰り下さい」

っていつものように終わらせようとしたんだけど、
10円玉は『いいえ』の方へ

この時はこういうのは結構あることだし、
やっぱり内心は誰かが動かしてるだけって思ってたから
皆そんな怖がってなかった。

またいくつか適当に質問をし、
帰ってもらおうとしたんだけど帰ってくれない。

何回もやってるうちに皆イライラしてきて
友達の一人が

「動かしてるのだれ?!」

ってキレたんだけど、
皆自分はやってないって答えた。

これでは埒があかないので、
10円玉が動いてる間に一人ずつ順番に手を離す事にした。

その時こっくりさんをやっていたのは4人

1人…2人…3人…と指を離す。

この最後1人の子が犯人か…と思いきや、
その子の様子がおかしい。

その子怯えた表情で

「わたし…やってない…」

と呟き、半泣きで指を離した。

すると、信じられないことに
10円玉がスーッと勝手に動き
鳥居のマークで止まるではないか!

私達はパニックに陥った

とにかくこっくりさんを終わらせようと
皆再び10円玉に指をのせ、
ひたすら帰って下さいを言い続けた。

しかし返ってくる返答は全て『いいえ』…

どうしたらいいのかわからなくて

「どうしたら帰ってくれますか?!」

とこっくりさんに聞いてみた。

返事は…

『ひとりおいてかえれ』

この返答に私達はどうすることも出来なかった。

友達を残して帰るのは無理だし、
自分が残るのも嫌。

皆10円玉に指を置いたまま沈黙…

嫌な空気が立ち込めていた。

その時…

ガラガラガラッ!

「アンタ達いつまで学校残ってんの!早く帰りなさい!」

入って来たのは先生だった。

当然事の経緯を説明しても信じてもらえず、
私達は先生にこっくりさんの紙を取り上げられ、
たたき出されるように学校から帰らされた。

帰り道が一緒のAちゃんと帰ってたけど
一言も喋らず歩いていた。

「あやみ」

Aちゃんが唐突に呟いた。

「え?」

私は意味がわからず聞き返すと、
Aちゃんは私にこう言った。

こっくりさんの正体は女の子で
名前は『あやみ』、
ずっと一人ぼっちで淋しくて私達の所に来た。

楽しそうな私達を見て
友達が欲しくなってあんなことを言ったらしい。

なんでそんなことがわかるのか聞いたら、

「皆が沈黙してた時に聞こえたよ…
皆も聞こえてるから沈黙してるんだと思ってたー」

とのこと。

怖くて泣きそうになっている私に
Aちゃんは笑顔でこう言った。

「あの紙と一緒に先生が連れてったから大丈夫☆」

あと後から10円玉はどうなったか聞いたら、
自販機の釣銭出てくるとこに置いて来たと
笑顔でAちゃんは言ってました。

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