俺が生まれる少し前に現れた何からしい
始めは地元の小学生の間で目撃談が相次いだそうだ
元々うちの地元には
上半身だけのお化けの噂があったんだが
それとは違うらしい
(上半身お化けは俺が子供のころケニーって呼ばれてた)
大人でも見たって言ってた人がいたが
その人は子供が事故死して
ちょっと変になったおばさんだった
だから口裂け女みたいな感じで
みんなも疑ってかかってたらしい
で、最悪なことに死者がでたんだ
その怪人?は「おっおさん」とか
「おうおうさん」とか呼ばれてたんだが
なぜか水が嫌いだという
(だから雨の日は出ないらしい)
ほとんどの小学生は
おっおさん避けのために
水をいれた水筒を持ってたとか
当時はペットボトルとか
そこらには普及してなかったから
で、小4の男の子が
「おっおさん見た」
「来るなあ」
とか叫びながら川に飛び込んだ
(水のあるプールや川なら来ないと思われていたからだろう)
それを遠くから見ていた下級生が
大人に言って大騒ぎ
その後、川から引き上げられたが
男の子は死んでしまった
で、死体を見た大人たちは
一様にみんなびびった
なぜなら、どっちかの腕に、
凄い力で掴まれてできたらしき
手形の跡が残ってたから
跡というか、
腕がちょっと変形するくらいだったという
(実際その部分の骨はひびが入ってたとか)
しかも手形の指の数が七本もあったというんだ
で、結局どうなったかというと
人里に降りてきた猿を、
噂のせいもあってそのお化けだと勘違いし、
さらに腕を掴まれたせいでパニックになり
慌てて川に飛び込んだ
そんな感じで
この一件はおしまいになった
それから目撃談は少しずつ減っていき、
いまじゃ誰もその話はしない
つーかちょっとしたタブーみたいな感じ
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コメント
コメント一覧 (14)
生まれる前にタブーになった話を、誰に聞いたんだろ・・・?
それよりも、私はこの話を読んで「ヒバゴン」を思い出しました。
アメリカでは安易にチンパンジー(他の動物も然り)を飼う人が多く、幼獣のうちはいいが成長するとチンパンジーは結構気が荒くなり、力もあるため飼い切れなくなって、捨てたり、或いは脱走したりして野生化し、人間を襲う事件も起きているそうです。ヒバゴンも、日本では珍しかった野良チンパンジーだったのかも知れないという気がします。おっおさんも、もしかして野良化した類人猿かな? ニホンザルは小型なので、相手が子供でも、骨に損傷が出るほど力を加えるのは難しいのではなかろうか?
それにしても、上半身だけのお化けの「ケニー」て何でしょう? アメリカ人の幽霊? 時代背景が全くわからないのでみだりな憶測はできませんが、名前と言い上半身だけの姿と言い、第2次世界大戦中に日本に来て投稿者殿の地元上空で撃墜されたB29の搭乗員の幽霊のような感じです。
本文より コメント欄の方が 読み応えがあった☆