俺の中でよゐこ有野さんはヒーローだ。

いや、この場合は有野課長と言った方が正しいか。

元々は沢山いる好きな芸人の中の1人だったのだが、
ある出来事がきっかけでヒーローへと変わった。

去年まで俺は泊まり込みのバイトをしていた。

といっても社員がいない間の電話番兼留守番みたいな仕事で、

「電話さえ出てくれていれば何をしていてもいい」

という環境だった。

なので、社員が退社する20時頃からは
ゲームしたり漫画読みながら電話対応を行っていたわけだ。

で、24時からは留守電に切り替えて
6時まで仮眠とるというのがバイトの流れ。

俺はその24時からはいつも、
会社にあるDVDプレーヤーで
「ゲームセンターCX」を観ていた。

バイトを始めて1年くらいたった頃。

多分3時くらいだったと思う。

俺はいつも通りゲームセンターCXを楽しんでいた。

でも、その日は何かおかしかった。

背後にある窓から

「コンッ」

という音が聞こえてきたんだ。

バイト先の事務所は雑居ビルの中にあって、
上は居住フロアなのでTVの音量はかなり小さくしている。

だから、音にすぐ気づいた。

6月の下旬だったし、
虫が事務所の光に反応して窓にぶつかったんだろうと最初は思った。

でも、次の音で違うと気づいた。

「コンッコンッ」

ドアをノックするようなリズムで、
同じ音が2回したからだ。

事務所は3階。

「あ、これやばいやつだ」

って一気に汗が出てきた。

嫌なことに、その音が

「指の爪先で窓ガラス叩いた音だ」

ってすぐ分かってしまった。

窓は磨りガラスであるものの、
鼻先が着くくらい顔を近づければはっきり見えてしまうだろう。

何より、こういう時の好奇心はろくなことにならない
(洒落怖の有名な話はある程度網羅していたからこそ、
この考えにたどり着けた)と判断して側のリモコンを手に取った。

TVの音量を上げる。

有野課長「危なーい!」

スタッフ「アハハハハハ!」

その時の安心感と来たらもう。

この後も何回か「コンッ」って音は聞こえてきたが、
常に賑やかなゲームセンターCXの音声のお陰で一夜をやり過ごせた。

もう朝になると音は聞こえてこなくなっていて、
恐る恐る振り返ってみてもそこには何もいなかった。

バイトを始めてからそれまでに心霊現象なんて起きてこなかったものだから、
今回は通りすがりの霊的な奴だろうって思って社員には話さなかった。

実際、その後2年ほど勤務したけど
同じ現象はおきなかったしね。

ゲームセンターCXのDVDを持ってきていて本当によかった。

ゲームたったら指が動かなかったろうし、
漫画だったら無音だったから。

ありがとうゲームセンターCX。

ありがとう有野課長。

例えお金に困っても、
DVDはお守りとしてずっと持っておくよ・・・

そう思った体験でした。

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