何となく1人で旅行へ行った時の話

ホテルで寝ていると、
クチャクチャと誰かが汚らしく何かを食べているような音がしてきて、
その音で目が覚めた。

「なんだ?!」

と思い布団から起き上がったが、
部屋は真っ暗だし室内に誰かいる気配も無い。

気のせいかな?とそのまま
また布団に潜り込み寝ようとすると、
またクチャクチャと口を半開きにしたまま
ものを食べるような音がしてくる。

「…これは寝ぼけているのでも気のせいでもないな」

と、ひとまず
気味が悪いが電気をつけてみようとして、
ふと気が付いた。

最初は廊下の明かりかと思っていたんだが、
良く見てみると
廊下へ出る出口近くにある備え付けの冷蔵庫の扉が開いていて、
扉の向こうに小さな人影のようなものが見えた。

「マジ?誰か入ってきてるのか????」

と軽くパニックになり、
布団からガバッと起きて
その人影を捕まえようと冷蔵庫の前へ行った。

すると、冷蔵庫の扉の陰に
身長60cmくらいの人がいる。

俺の接近にも気付かず
夢中で中のつまみを食っていた。

すでにサイズからして「普通じゃない」のだが、
俺はその時軽くパニックになっていて、
大声で

「誰だ!??」

と声をかけた。

声に反応して
そいつはゆっくりとこちらを振り向いた。

サイズはともかく
見た目は普通の日本人っぽく見えたが、
何故か俺はその時異様な気色悪さを感じた。

喩えるなら…

PSのゲームでバイオハザードってあるだろ?

あのゲームで初めてゾンビに遭遇して、
ゾンビが振り向いた時のおぞましさとでも言えば良いのか…

なぜかその時バイオのゾンビのイメージが頭に浮かんだ。

俺がそいつのなんだか解らないおぞましさにすくんで絶句していると、
そいつは何故か俺を指差し怒鳴り出した。

ただ、その言葉は日本語では無く、
何か別の国の言葉のように俺には聞こえた。

そいつは二言三言俺を怒鳴り散らすと、
そのまま壁の中へ消えていってしまった。

俺は何がなんだか解らず、
何で怒鳴られたのか意味不明で、
そのまま暫らく立ちすくんでいたんだが、
ふと我に返り

「これは従業員に報告すべきなのか?」

と悩んでしまった。

だってこんな話信じてくれるとは
とても思えないしな…

結局俺が基地外扱いされそうで報告はしなかったが、
当然の事ながら冷蔵庫の中身の料金は
チェックアウトの時俺が支払わされた。

気色悪いやら
何かやるせないやり場の無い理不尽さを感じたが…

なんか中途半端なオチですまん。

でもこれが俺の体験した唯一の理不尽で恐怖な体験。

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