先日。

俺はとある大きな神社に行った。

鳥居をくぐって階段を降りると、
かなり広大な石畳のスペースがある荘厳な神社。

この神社に、
なぜか真っ正面から入らずに(鳥居をくぐらずに)
横から入って参道を歩いていった。

途端、
ビリビリ!!とおぞましい寒気が襲った。

尋常ならざる寒気と、
自分の周りの空気を震わせるような殺気と、
誰かがこちらを注視しているような目線を感じて、

「(これ以上進むのは)ムリだわ」

と心の中で叫んだ。

寒気で体が硬直し、
下を見たまま前を見ることができない。

うつむいたまま後ろに向き直した瞬間、
足元に影が近づいてきているのが見えた。

「ヤバい!つかまる!」

と思い
鳥居に向かって猛ダッシュしようとして、
鳥居を見た瞬間に俺倒れて意識不明。

その後、
病院の簡易ベッドの上で目覚めて、
家族から

「何であんなところにいたんだよ」

と聞かれたので、
そういえばと思い出してみた。

神社に行こうとした理由は自覚している。

単に願い事をするためだ。

だが、神社の横腹から敷地内に入る直前の記憶が全くない。

なんか、体がジャンプしている状態で、
いきなりストンと神社脇に着地して
この出来事がスタートした、
みたいなそんな感じ。

しかもその神社を訪れたときには、
いつも来ている神社という認識があったのに、
(寒気に襲われたときに、
「前にもあった。前にもあった、うん。大丈夫、このまま進もう」
と自分を落ち着かせている自分がいたから)
今はどこの何神社なのかサッパリわからない。

また夢遊病者のように意識のないまま
その神社に向かうことになるのだろうか?

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