大学生時代の出来事です。

その日も夕食を外で済ませ、
いつも使う100メートルほどの小道にさしかかりました。

ふと道の端に目をやると、
バイクにまたがった人が目に入りました。

なぜかその人はヘルメットではなく覆面をかぶっており、
じっと私を見つめています。

?と思って改めてその人を見ると、
穴から覗く口元はうっすらと笑みを浮かべていました。

不快さと同時に気味悪さを感じた私は、
足早にその人の横を通り過ぎ、
振り返ることなく10メートルほど進んだ時のことです。

私の少し後ろの方で、

「うおおおおおおおーー」

という声が聞こえました。

覆面野郎かと思い振り返ってみると、
4、5メートル後ろから、
見たことのないおっさんが竹箒を大上段に構えて走ってきます。

こいつはぜったいヤバイなどと考えるまもなく、
私は走り出していました。

私を追いかけている最中も、
おっさんは奇声を上げていたように思います。

逃げること60メートルほどでしょうか、
あせっていた私はおもいきり転んでしまいました。

すると、

「うおおおおおー」

という声。

殺られる!と思い、
咄嗟に身を丸めて
なんとかその場をやり過ごそうとしました。

が、おっさんは始めから私など見えていなかったように、
奇声を上げながら少し先の横道に消えていきました。

その場に残された私は、
しばらく呆然としていたと思います。

やがて我に返ると、
誰かに見られていないかと恥ずかしくなり、
あたりを見回しました。

案の定、そこには二つの人影が。

でもこの二人、
明らかに普通ではない様子。

一人はジョギングウェアで、
前方の一点を見つめて、
ざっざっざっといった感じの軍隊歩きで、
こっちに向かっています。

もう一人はスーツ姿なのですが、
右手で左のわき腹をおさえ、
左足はずるずると引きずりながら歩いています。

目の焦点はどこにも結ばれていません。

ちょうどわき腹を銃で撃たれたようなカッコウでした。

わたしは先ほどの気恥ずかしさも忘れ、
なるべく二人を見ないようにその場をはなれ、
急いで家に帰りました。

だからどうしたという話ではないですが、
不思議な体験でした。

これらを一遍に見て、
『ねじ式』の世界に迷い込んだようでした。

でも、もういいorz

【意味怖】意味がわかると怖い話の最新記事