阿蘇の赤橋に行ったときのやーな話。

その日は草野球のメンバー数人と飲んでて、
怖い話大会が始まった。

怖いのが嫌いな人たちは次第に別室で寝始め、
気が付いたら男ばっか四人になっていた。

んで1時過ぎにK本という奴が遅れてきて、
そいつは飲んでないから車出せる!
って事で、阿蘇に或る有名な心霊スポット、
通称「赤橋」に行くことに。

着いたのは深夜一時過ぎで、
ものっそい霧かかっていて非常にいいかんじ。

かなーりテンションも上がり、
これは何か期待出来る…と言う雰囲気。

1人が川岸まで下ろうと言い出し。

これを多数決で採択。

素面のK本だけはかなり嫌がっていたが、
置いていくぞと言うと、渋々着いてきた。

そして、みんなで暗い中はしごを降り、
さぁいざ川岸へ!という時に

「ザガッザガッザガッザガッザガッザガッザガッザガッザガッザガッ!」

と何かがこちらに駆け寄ってくる音が!

全員パニック状態で引き返し車まで疾走。

尻尾を巻いて帰路に着いたのだが、
まぁ15分くらいしたら喉元過ぎればってやつで、
いい体験談をゲットした!と結構盛り上がった。

ただ、K本だけが
みょーに青い顔をしてむっつり黙っている。

気になったので車中で問い詰めると、
走ってくる奴の顔を見たと言い出した。

車内は色めき立ち、
全員で特徴を聞いてみると、

「輪郭はハッキリしてるのに、
顔だけはなんだかボヤーッとしていて、
ただやばいって感じだけは伝わってきた。
捕まったら死ぬと思った。」(うろ覚え

という「死」まで出てきたちょっとリアルな話に
興奮状態が冷まされ、また呑み直そうとなった。

その後酒盛りは明け方まで続いたが、
突然コップは割れるわ、
原因不明の停電はおこるわ、
誰もいないのにチャイムはなるわで
怪奇現象のオンパレード。

しかし、何故かその度大盛り上がり。

ただK本だけは

「視られてる気がする」

などと言い最後まで青い顔をしていた。

そして、問題は次の日。

先に寝てしまった先輩が怖い顔をして
おまえ昨日の夜どこいった?
とK本に突然質問してきた。

赤橋に…というと、
五人集められて正座させられ、
説教をくらった。

でも正直大の大人が
心霊スポットに行くだけで怒られるには納得いかず、
誰が先輩に教えたんだよ…
と犯人探しが始まったが、みな違うと言う。

すると、先輩が1人例の見ちゃった奴を指差しながら、

「別にきかんでもわかるわ。
お前が肩に乗っけとるんじゃ」

と言うものだから一同真っ青。

どうも今まで一切そんな話をしたことはなかったが、
先輩は「視える」性質の人らしく、
昨晩悪夢をみて、起きたら凄い寒気を覚え、
K本を一目見たときに大体わかったらしい。

ほんで、なんか御祓いのような事をしだして、

「これ応急処置みたいなもんだから、
ちゃんとしたとこで払ってもらい。じゃねぇと…」

たっぷり溜めてからぼそっと言った。

「たぶん死ぬぞ。」

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