私が小学生の時、
たまに壁に張り付いた顔を見る時がありました。

壁にぶつけて平らになったスライムのように、
ぺったりとした顔でした。

大体無表情で上をぼんやり眺めていました。

同級生には見えてないようでした。

玄関の壁に張り付いていたり、
校舎の時計の横に張り付いていた時もありました。

私は特に恐怖を感じていなかったので、
ぺったりさんと名付けていたのです。

そしてしばらくして、
学校の先生が病気の為、
お亡くなりになりました。

私とっては生まれて初めての他人の死でした。

そして全校生徒でその先生の乗った霊柩車を見送る行事があったのです。

その日、私の前を霊柩車が通り過ぎた時、
車の後部窓ガラスにぺったりさんが張り付いていたのを私は見ました。

今までに見た事の無い、
恍惚とした表情でした。

それ以来、私がぺったりさんを見る事はありませんでした。

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