知り合いの工務店のおっさんから聞いた話。

近所でやたら階段で転んで
家のなかで怪我したとかいう話があったんだって。

けっこう歳食ったじいさんばあさんでもなくて、
若い人とかもなぜか階段で転んで、
手首とか骨折したりする。

でまあ、

「階段に手すりつけてくれ」

みたいな話が増えて、
工務店的には繁盛したらしい。

ただその工務店のばあさんてのが
本当かしらんけど霊能みたいのがあるらしくて、
それは江戸時代の頃の霊障だって言ってきかないんだそうな。

なんか昔、姦通つって浮気した奥さんとかの、
両手を切るという刑みたいなのが流行ったそうな。

もちろん正式な刑じゃなくて、
武家さんとかが私刑でやったのね。

でも両手切ると
たいていは頸動脈の失血で死んじゃって
実質、死刑みたいな話。

それで工務店の近所には、
その手の塚みたいなのがいまでも残ってるらしい。

で、ある日、
工務店のおっさんが、
夜中に尿意を催して二階の寝室から一階のトイレに行こうとしたの。

そしたら、
おっさんがすてーんて、
階段でこけちゃった。

おかしいなって思って、
後ろ振り向いて階段を見たら、
階段のぜんぶの段に、
合計すると百本くらいの人の手が
林みたいに下から突き出してたって。

どうもおっさんも霊感ちょっと引き継いでたらしいのか
見えたらしい。

「あんたも階段おりるとき、
気をつけたほうがいいよ」

って笑いながら言ってた。

ただそのおっさん、
階段で落ちたときに頭を打って、
いまでも手が痺れるんで、
工務店つっても実務はできないらしいが。

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