大人になった今でも
不思議で不思議でしょうがないと思うことがある。

わたしが小学校3年生の時、
同じクラスに加藤君という子がいて、
ドリフターズの加トちゃんの物真似が抜群に上手くて、
クラスの人気者だった。

そして加藤君は、
その日予定されているプロ野球の試合結果を
ピタリと言い当てるのだった。

その加藤君が
2学期の終わり頃に急に転校してしまった。

普通、転校する前に挨拶ぐらいして行くものだが、
ある朝、急に机ごと消えてしまったのだ。

しかもクラスメートも担任の先生も何も言わないのだった。

まるで最初から加藤君なんかいなかったと言わんばかりに。

クラスメートの高田君に加藤君のことを聞いたら、

「加藤?誰それ?お前の妄想なんじゃないの?」

と言われた。

さらに高田君はわたしにこんなことを言ったのである。

「赤井、俺も不思議に思ってたことがあるんだ。
お前ってさ、3年生になってある朝、
急にクラスメートになってたよな?
まるで最初から友達だったかのように…」

今でも加藤君のやってた

「ちょっとだけよ、アンタも好きねぇ~」

の物真似を
はっきりと思い出すことができるのだが…

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