箱根に出張させられたんだけど、
鶴の恩返しみたいな出来事があった。

仕事終わって、
ホテルに帰る為に山道を車で走ってたけど、
霧で視界悪くて、
飛び出してきた子供のタヌキを轢いちゃった。

死んじゃったか!?と思って車から出て見たら、
生きてるけどぐったりしてた。

そんで慌てて動物病院をナビで探して連れてったけど、
タヌキは頭に掠り傷してるだけで他は何ともなかった。

でも凄くやせ細ってたから、
なんか可哀想だと思って、
いけないと解りつつも、
餌あげたりナデナデしたりして、
タヌキが元気になるまで看病(?)した。
(獣医さんに怒られると思ったけど大目に見てもらった。
イイ人だった)

その後、
轢いちゃった所まで車で戻って、
タヌキを山に帰した。

そんでホテルに帰って、
テレビ見てたら部屋の呼び鈴がなって、
従業員さんか?と思ってドア開けたら、
オッサンが立ってた。

なんか凄いニコニコ顔のオッサンで、
正直きもいと思った。

そしたらオッサンが、

「つまらない物ですが」

とか言って、
葉っぱに包まった丸い何かを二つくれた。

俺が戸惑ってると、

「助けて貰ったお礼ですので」

と言って、

オッサンはどっかに帰って行った。

葉っぱの包みを開けたら、
まん丸の白い饅頭が入ってて、
皮がモチモチしてて餡子が甘くて凄い美味しかった。

こし餡だった。

あのオッサン頭に、
テープで留めたガーゼが貼ってあったし、
やっぱりあのタヌキだったのかな。

でも、子供のタヌキだと思ったら、
オッサンタヌキだったのな。

あと、帰りに土産屋行って、
タヌキから貰った饅頭探し回ったけど、
何処にも売ってなかった。

饅頭美味かったなぁ…

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