母が予知夢やら虫のしらせやらある人で、
割と実体験話が多い。

母の見た予知夢の中で、
一番怖かったもの↓

母が二十歳の時。

夢の中でバス停に急いでいた。

途中の駐車場に杖をついたおじいさんがいて、
母はその人を見て

「あんまり話したくない」

と感じたらしい。

でも、おじいさんが

「良い天気ですね」

とか、
話しかけてくるので嫌々応対したそうだ。

やっと先に進めるというとき、
母はなぜか老人に

「次、いつ会えますか」

と訊いてしまった。

するとおじいさんは

「ダンマツマ」

と答えた。

そこで夢は終わり。

母は夜中に飛び起きて、
祖母はそれに驚いた。

お恥ずかしながら母はかなりの天然無知で、
当時「断末魔」を知らなかったらしい。

祖母に

「だんまつまって何」

と尋ねると、

「断末魔ってのはね、
人が死ぬ時にあげる、
ぎゃーとか物凄い悲鳴のことよ」

と言われ、
ぞっとしたそうだ。

……二週間後、
そのおじいさんがいた駐車場の横を流れる川で、
変死体が見つかったらしい。

変死体=死後時間が経ってる→もしかして、夢を見た頃に……?
と一人連想して怖くなった。

おじいさんは死神なんじゃないかと勝手に思っている。

次に死神に会う時は「断末魔」だそうなので、
身の回りの人がすごい死に方をしないか心配で、
私は母の手を引いて道路を渡るようにしています。

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