子供の時の記憶で、
いい年になった今もわからないことがある。

場所は母方の祖父母の家で、
建物が古い和風建築なので、
私が5才までのことだった筈。

母に確認したら、
私が6歳の時に叔父が結婚してやや洋風に建直しているので、
間違ってはいないと思う。

その家は縁側ぞいに長い廊下があって、
ドン突きが和式トイレ。

幼児の自分は、
祖母の飼い犬と一緒に廊下を走って、
トイレのドアまで行ってUターンして反対側まで走る、
という無意味な遊びをしていた。

そしたら、
ドン突きの壁を通り越した。

通り越した先に知らない部屋があって、
後ろ向きの花嫁さん?のような和装の人が複数座って、
楽しそうにしていた。

そして、
祖父がこっちを向いて座っていた。

祖父が私に気付いて、
あっちに行けと手を振って追い払う仕草をしたので、
入っちゃダメだったか、と焦っていたら気配を感じて、
後ろ向きの花嫁さんのような人が、
振り返るような仕草で動いた。

祖父の手ふりはどんどん激しくなって、
もう『ぶんぶん!』て感じでますます焦る幼自分。

花嫁さんがゆっくり動いたんだけど…
絶対人間じゃない薄さの人だった。

後ろ姿は普通なのに、
写真の切り抜きとか、
そんな風に厚みがない。

横から見たら、
見えない人が何かを言った。

で、祖父もすごい睨んでるし、
さすがに子供心にヤバイ気がして後ずさったら、
尻餅ついてもとの廊下に転がってた。

母は末娘で、
祖父は明治生まれのジジイ。

厳しくてすごく怖い人だったのと、
父と祖父があまり仲良くなかったせいで疎遠だったので、
聞けないまま祖父は他界してしまった。

古い家も叔父の結婚で建直しちゃったので、
子供の妄想と言えばそれだけなんですが…

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