俺は看護士なんだけど
5年ほど前にあった怖い話

あの日もこんな暑い夏の日だった

夕方ごろに一般病棟でなくなった人がいた

40代の女性で、
たしか末期のガンだった

昼頃から容態が急変し
集中治療室へ運ばれたが
家族に見守られながら亡くなった

その方のいた病室は2人部屋だったが、
もうひとつのベッドは使われておらず、
亡くなった方のベッドも
すぐに片付けられ空き部屋になっていた

俺は、夜勤で午後7時半に出勤し、
申し送りでその方が亡くなったこと

部屋が空き部屋になったことを知った

しばらく日常の仕事に忙殺され、
センターで書類の仕事をしてたとき
突然ナースコールがなった

他の夜勤のナースが電話をとろうとしたが
ナースコールの発信場所を示すランプを見て硬直していた

今日患者がなくなったベッドから発信されていた

俺の方を見ながら恐る恐る受話器をとって
すぐに短く悲鳴をあげて受話器をおいた

「どうした?」

って駆け寄ると

「うめき声が聞こえた気がする」

とのこと

「この部屋って空き部屋だよね?」

って聞くと頷いてる

俺が勇気ふりしぼって
センターから電話をかけてみたが
無言・・・

しかし、
このままほっとくわけにもいかない

トイレをしに行った患者が
気分悪くなって空き部屋に駆け込んで
ナースコール押して気を失ったかもしれない

もう一人のナースをナースセンターに残し
俺一人でその部屋を確認しに行くことになった

部屋までシーンとしてる廊下を歩きながら
だんだん怖くなってきて部屋の前で深呼吸して
勇気をふりしぼってドアを開けると
やはり誰もいない

「こりゃイタズラか?」

って思いながら
一応ベッドのナースコールが正常か確認しようと押して見ると
ちょっとしてからあのナースの短い悲鳴が聞こえた

俺飛びあがってダッシュでセンターに戻って

「何あったの?」

ってナースに聞いたんだけど
きょとんとした顔で

「どうしたの?」

って帰ってきた

ナースコールも鳴ってないとのことだった

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