私は北海道のとある田舎町に住んでいます。

30分ぐらい車走らせば
それなりに人がいるところに付くので、
ド田舎ってわけでもないんですが、
私が住んでいるところには畑とか牧場とかがたくさんあり、
家屋は少ないように感じます。

私が住む家は二階建ての一軒家で、
私は二階の部屋で寝起きをしていました。

ちょっと説明しづらいのですが、
家の形は正面から見てL字型をしていて、
私が寝起きする部屋の窓からは、
屋根の上に降りることができました。

ベランダって訳ではなく、
本当に屋根ってかんじで、
トタンがはってあって、
立って歩いたりするには危なっかしいです。

トタン屋根の家に住んでいる人はわかると思いますが、
この屋根は雨粒の音とかがとっても大きく響きます。

でも夏の終わりぐらいになると、
夜に、雨も降っていないのに

「パタタッ」

って感じに、
水滴の落ちる音が聞こえることがあるんです。

なんの音だろう、
と前から思ってはいたのですが、
こう昼と夜の寒暖差が激しいと、
放射冷却か何かで露とかができて、
電線から落ちたりしてるんだろうなーと、
あまり気にしてはいませんでした。

でも、ある日の夜のことでした。

私は自室のベッドに寝ていました。

ベッドの横には、
例の屋根に降りることができる窓がありました。

うとうとしていると、
あの「パタタッ」という音が聞こえて、
私は目が覚めてしまいました。

普段なら

「あぁ、またあの音だ…」

とぼんやり考えながら、
そのまま寝てしまうところですが、
どういうわけかその夜は
その音が何回も何回も聞こえてきて、
中々寝付けませんでした。

次第に、

「うるさいなー、もう、何なんだよ…」

と苛立ってきて、
私は目線を窓の外にやりました。

そして凍りつきました。

窓の外から、
何かが私を見下ろしていました。

窓枠に逆さまにぶら下がるようにして、
変な生き物が私を見ています。

暗かったので
はっきりとその姿を見ることができたわけではないのですが、
逆さになった頭から髪の毛が垂れていて、
口が異様に大きかった気がします。

その生き物はどうやらびっしゃりと濡れているようで、
その髪の毛から時折水滴が落ち、
あの「パタタッ」っという音が聞こえてきます。

こんなものが、
しょっちゅう私の部屋を覗いていたのに、
なぜ気付かなかったのだろうと思うのと同時に、
今日はたまたまカーテンを閉め忘れていたことに気づきました。

私は目を閉じ、
必死に眠ろうとしました。

カーテンを閉めたり、
逃げたりする勇気がありませんでした。

どういうわけか、

「あの生き物に起きていることを悟られてはいけない」

という気がしました。

しばらくの間そうしていると
いつの間にか眠ってしまったようで、
気づくと朝になっていました。

恐る恐る窓の外を見ましたが、
何もいません。

あれは夢だったのでしょうか。

あまりにリアルで、
とてもそんな風には思えませんでしたが。

あの生き物はなんだったのか。

とっても気になりますが、
怖くて夜はカーテンが開けられません…。

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