私の部屋には、
私の趣味で色んなフィギュアが置いてあるんだけど
普段それで遊ぶ訳でもなく、
ただふつうに棚の上に置いてあるんだよ。

たまに位置を変えたりするだけで
普段はあまり触らない。

でもこないだ、
ある異変に気づいた。

3時間ほど机に向かっていたためか目が疲れ、
ふと何気なくフィギュアの棚の上に目をやる。

すると、2か月くらい前に買ったばかりの
ヘタリアとハルヒのフィギュアが
不自然に円形になっていた。

一つ一つのフィギュアで円を作っていて、
それはそれは綺麗な○だった。

でも私が動かしたわけではないし、
聞いたところ母でもないらしい。

うちは一人っ子で、兄弟はいません。

しかしまぁその時は大して気にせず、
円形になっているのを元の状態に戻して
その日は眠りに就いた。

次の日の朝、目覚めた私は
なぜか真っ先に棚の上へ視線を動かした。

すると今度は、
円にはなっていないけれど
全体がなんとなく円を作っているような形になっている事に気づいた。

昨晩私は確かに元通りにしたし、
うちの母はスナックを経営しているので夜中は店にいる。

帰ってきても夜中の3時くらいで、
疲れ切っているので
私の部屋をのぞくことも最近はあまりない。

ましてやフィギュアを弄るなんてしないだろう、
そう思うと急に気味が悪くなった。

ひとまず気分を入れ替えようと
制服に着替えて学校に登校することにした。

学校で友達にそのことを話すと、

「世界会議だよ!」

とか

「SOS団のアレじゃね、話し合いじゃねwww」

とかまともに聞いてくれず。

なんだか一日中そればかり考え、
もやもやとしたまま帰宅した。

…しかし、帰宅してみると
フィギュアは元通りになっていた。

その晩宿題をしていてもフィギュアの事が気にかかり、
友人たちのようにポジティブに考えるのもいいかもしれない、
と少し吹っ切れたような気持ちでいた。

もしかしたらトイストーリーみたいに、
私が寝てる間もしくはいない間にしゃべってるんじゃないのwwwとか
無理やり笑い飛ばして布団に入り
無意味に棚の上を凝視しながら眠りに就いた、までは良かった。

…夜中の2時くらいだっただろうか、
私は急に目が覚めた。

原因は分からないけれど、
トイレに行きたいわけでもなかったので
とりあえず時計を確認してから起き上がる。

不思議と眠気は失せていて、
今日も学校があるにもかかわらず
私は暗い室内を見渡してみた、その時だった。

棚の上で何かが動いている。

ゴキブリか!?と身構えてみるが、
その大きさは虫とは思えない、
むしろ小さな子供のような影だった。

コツコツ、コツコツ、コツコツ

無機質な音と、小さな子供の笑い声。

そして、長い髪の毛が鉄製の棚に当たって
「シャン、シャン」という小さな音が部屋中に響いた。

…私の家は二世帯で、
二階には私と母、
一階には母の弟家族が住んでいる。

5歳と3歳のいとこが住んでいるわけだが、
もしかしたらこの時間に眠れなくて遊びに来ているのかも。

そう思って小さく呼びかけてみる。

「りのちゃーん?寝れんの?」

…当然の如く返事はない。

もう一度暗闇の中目を凝らして、
音のする方を確かめてみると

髪が腰辺りまであり、
いとこではないことが分かった。

ベッドに備え付けの小さなライトのスイッチを静かに入れ、
ぼんやりと映し出されたその物体をしっかりと目でとらえた。

その少女は、
鎖骨辺りから上しかなく髪は黒。

幼い顔立ちで
おそらく7~10歳と思われる。

しかし腕はしっかりと見えており、
私が大事に並べてあるハルヒとヘタリアのフィギュアが
しっかり握られているのが分かった。

陳腐な表現で申し訳ないけれど、
"心臓が止まるかと思う"程驚いて
そして、爪先から脳天まで一気に恐怖心が駆け抜けた。

コツコツ、コツコツ、とフィギュアが棚にあたって、
そのたびにキャッキャと笑う少女の声。

お人形ごっこをしている幼子そのものの姿だった。

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