20年位前のことになる

自分の弟が友人2,3人と連れ立って、
箱根ドライブしていたときのこと

人気のない峠道で、
若い女がとぼとぼ歩いている後姿を追い越したそうだ

(おかしいな、
徒歩で行き来するような道じゃないのに)

と、思ったそうだ

人家があるわけでもなく、
前も後ろもただの無人の野という場所で、
徒歩でかつ普段着の女性が、
しかも一人ぼっちで歩くのは不自然というかありえない

で、その女性を追い越しざま、
弟たちは思わずその女性の顔をよく見ようと
ふりむいたんだと

ところが追い越したとたんに、
女性の姿は影も形もなくなっていた

むろんすぐに振り向いたから、
身を隠すことはできなかったはずなのだ

で、少したってから、車内で

「確かにいたよな?」

と、誰かがポツリと言った

「ああ、確かにいたよ!」

「なんだよおっかねえ、
あれ幽霊じゃないのか?」

「いるんだよな、やっぱ幽霊って!」

と、みんなで大騒ぎになったそうだ

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