知り合いの男性がデキ婚した。

挙式から半年後に妻は出産する予定だったが、
運悪く流産した。

しかしその一年後に妊娠。

順調に思えたが、
今度は八ヶ月後に流産、
というか死産。

この時は女性もかなり体に負担がかかったそうだ。

それで妊娠恐怖症になったらしく、
30歳まで避妊を続けたらしい。

夫がどうしても子供が欲しいので、
不妊治療を受けることを提案。

その女性は病院で検査するも、
不妊の原因が分からず、
思い余った夫がある霊媒師に相談した。

霊媒師はひとしきり霊視すると、
あっさり告げたそうだ。

前に付き合っていた男の霊が原因。

奥さんに供養させなさい。

男の霊?
つまり、その男性は死んでいるんですか、
夫が尋ねると霊媒師はそうだと答え、
男の霊が胎児を殺している。

除霊しない限り、
奥さんは流産し続けると言った。

夫が霊媒師に紹介されたお寺に妻を連れて行くと、
そこの住職がしばらくして夫に告げたそうだ。

今お経を唱えている最中、
男が私の耳元でずっと囁いていたんだが、
あなたの奥さんが以前子供を殺したそうだ。

嘘かどうかは分からないが、
死んだ男はそう言い続けている。

だから妊娠は諦めた方がいい。

次に妊娠したら、
奥さんは死ぬことになると思う。

住職にそう言われた夫は、
妻を苦しめないよう、
黙ってお寺を出た。

そして駐車場に向かう途中、
二人は二歳くらいの幼児を抱きかかえている男と
すれ違ったそうだ。

夫は霊の話を聞いたばかりなので一瞬ぞっとすると、
その横で妻が悲鳴を上げて失神した。

そのことがあったので、
夫は住職に言われたことを正直に話し、
もう子供を諦めると言ったそうだ。

すると妻は泣きながら詫びたという。

彼女は若い頃中絶をしただけでなく、
小学生の頃、
親戚の幼児に手をかけて殺したと。

ずっと忘れていたが、
子供を抱く男の姿を見て
突然思い出したそうだ。

そして、その男が叔父に当たる人で、
高校生の頃に不倫して妊娠、中絶。

親にそのことが発覚すると、
叔父は失踪したそうだ。

結局二人は離婚したが、
妻はかなりの美人だったので、
すぐに再婚したらしい。

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