俺がアパートで二人暮らししてた頃の話だ

もう片方の奴が風呂に入っているときに
トイレの扉をノックしたんだよ

その瞬間

「アイツが風呂入ってるのになにしてんだ」

って思って入ろうとしたら、
なぜかノックが帰ってきたんだよ

俺はびっくりして動けなくなってさ

大声でもう一人の名前を呼びまくったんだよ

「早く、早く出て来て!(風呂から)」

ってさ

そしたらトイレのドアが開いて、
見覚えのある顔が現れた

「どうした?」

俺は本人確認のために
誕生日とか色々なことを聞いたんだが
見事に全部答えやがる。

トイレから出てきたのは紛れも無い
正真正銘の同居人だった

丁度それくらいの時だったかな?

風呂のドアが開く音がしたのは

同居人と俺は顔を見合わせたよ

「誰だ……」

すぐに鍵も閉めずに部屋を出て、
ネットカフェで夜を明かした

朝になって霊感があるという友達と
三人でアパートに戻ったんだが
人がいた形跡もなく、異変もなかったわけだ

その人は「悪い気はしない」と言っていたのに、
なぜかとても帰りたそうにソワソワとあたりを見回す

引き止めたのにも拘らず、
顔中汗だくの状態で早足で戻っていった

後々何度か聞いてみて、
最初の3,4回は答えてくれなかったんだが、
あるとき答えてくれた

「悪い霊じゃないんだよなー。
あの爺さん?婆さん?はおそらくどっちかの守護霊だったと思う
だけどさ、少し狂っててね。
思い込みが強すぎるというか。過剰な愛っていうか。
しかも、あっちは俺を有害だと見なしたらしくて……
あの時は怖かったよ。
あそこで下手な事いったらどうなるかわかんねえし
今は居ないからこういう事いえるんだぜ?」

それを聞いて俺達はすぐさま引っ越した

もちろん、憑いてきているだろうな、
とは思ったものの、
さすがにあの部屋にいるのは気持ちが悪かった

友人は時々、
見たことあるような、ないような爺さんが
鮮明に夢に何度も出てくるとか

今のところ害は無いらしい


今のところ……ね

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