幽霊とかって俺は全く信じないんだが、
一度だけ体験した(見た)話。
俺が二十歳くらいの時かな。
うちのばあちゃんがボケ始めた。
日中誰かが訪ねてきた、とか
知らない人から電話が来た、
とか言う様になった。
病院連れていったら、
アルツハイマーと痴ほう症を併発してるとの事。
ボケはだんだん酷くなっていき、
言う事も酷くなって言った。
特に、
「二階に誰かがいる」
って事を頻繁に言うようになった。
でも二階を調べても人がいる形跡なんてもちろんないし、
家族や俺も、受け流すしかなかった。
それからばあちゃんは寝たきりになって、
ある日救急車で病院に運ばれて
一週間ぐらいで亡くなった。
84歳くらいだったかな。
んで次の年の忘れもしない、
8月15日の事。
会社はお盆休みで、
俺はなぜか家の大掃除をしてたのね。
そん時家に居たのは俺と母ちゃんだけ。
母ちゃんは確か外で洗濯物干してた。
んで掃除してたら、
二階の姉貴と母ちゃんが一緒に寝てる部屋から
「ガタッガタッ」
って物音がするのよ。
最初は母ちゃんが二階でなんかしてるんかと思って、
別に気にしなかった。
だんだん
「ガタッガタッ」
って音がうるさくなっていった。
その時、
うちの母ちゃんが近所の人と笑い話してる声が
外から聞こえたんだ。
大掃除しながら汗だくになってた俺は、
あれ?二階でガタガタやってんのは誰だよ?
と思ったんだ。
俺は、二階へ上がって行った。
もしかして姉貴が帰ってきて、
姉貴も大掃除始めたのか?
と思って、ガタガタ音のする部屋に行った。
すると階段登ってた時はガタガタ聞こえたのに、
部屋に入ったらシーンとなりやがった。
「姉貴?掃除してんの?」
って俺が言ったら、小さい押し入れ
(姉貴の部屋には上じゃなくて下にあった)が
ガタッガタッっと動いたもんで、
俺は姉貴が中にいるもんだと思って
その押し入れを開けたんだ。
今でもあの衝撃は忘れられない。
小さい足元の押し入れを開けたら、
小さい子供の声で
「キャッ」
て笑う声が聞こえた。
頭ん中が「??」ってなって
膝をついて押し入れん中を見たら、
中に4、5歳の子供が三人ギュウギュウ積めで入ってて、
なんか食ってたんだよ。
一人はおかっぱ頭の女の子。
あと二人は確か坊主の男の子だった。
三人はものすごく薄汚れた格好してて、
臭かった。
しかも三人ともまんえんの笑みでこっち見てた。
俺は、気が付いたら
猛スピードで階段をかけおりてた。
俺は裸足のまま
外に駆け出して母ちゃんのとこにいった。
俺が青い顔で裸足で駆け出してきたから
母ちゃんはビックリしてたけど、
俺が今あった出来事を一通り説明すると、
「ハア?!」
って言いながら家の中に入って行った。
俺はしばらく動けなかった。
動悸が激しくて
自分の心臓の音がいつまでも聞こえてた。
しばらくすると母ちゃんが家の中から出てきた。
何も居なかったらしい。
ただ押し入れの中が、
ものすごく臭い、と言っていた。
その子供の幽霊っぽいのを見たのは
最初で最後だったんですが、
死んだばあちゃんが
「二階に誰かいる」
って言ってたのと関連があったのか、
定かではありません。
お盆だったから出てきたのか…
その家は取り壊したので
今はもうないです。
あの匂いは忘れられません。
風呂に1ヶ月くらい入ってない匂いというか…
戦争で死んだ子供の霊だったんだろうか。
今でも押し入れあけるの勇気いります。
【意味怖】意味がわかると怖い話の最新記事
コメント
コメント一覧 (15)
あと、臭かったら、匂いじゃなく臭いじゃないの?
悪さはしなそうだけど、臭いのも嫌ね……☆
しかし、投稿者殿の家がどこにあったかはわからないし、おばあちゃんの過去の事も何一つ書かれていないので、みだりな推測はできませんが、押し入れにいた子供たちは、もしかして戦時中の学童疎開と何か関係がありそうに思います。疎開した子供たちは風呂にも満足に入れなくて不潔な環境だったそうであるので、体臭がきつかったかも知れないし、何か食べていたというのも、当時の食糧難を暗示しているようです。学童の年令ではない4~5才の子供、という点が難ですが、昔の人は現代人より発育不良(は言い過ぎかな?)だったから、小学校(当時は国民学校)の児童でも4~5才に見えるかも知れません。
何か食べていたというのは、空腹のあまり、お盆の供物を失敬しちゃったんじゃないかと。
お祖母さん、自分のお供えを子供達に分けてあげたのかも知れません。
出来れば、お風呂にも入れてあげたいなあ。最近の
政界再編か
報告主は適当な性格。うろ覚え以前。自分では覚えたつもりになってる傾向がある。
アルツハイマーは痴呆症の1種だから
アルツハイマーと痴呆症の両方の診断が出たというのは変。
認知症より、痴ほう症のほうが分かりやすいわ。
なんか居ても不思議じゃない