これは私が23歳の頃にあった話です。

ちょうどその頃
私はある会社の企画部にいました。

「A(私)今日は飲むぞー」

私は珍しいなぁと思いましたけど

「はい」

「もちろんおごって下さいよ」

そして私はそのB先輩と共に
行きつけの飲み屋に行きました。

「いつものお願いね」

「はい」

「先輩知ってます?」

「なにが」

「昔、会社で殺人事件が起こったこと-」


「お前も好きだなぁ
この前はなんだっけぇ
この近くのマンションで飛び降り自殺の幽霊がでるだっけぇ
結局の所あそこでそんなことがあった事実はないのによ
いい加減にしろよ」

とここまではいつもといっしょでした

ところが突然携帯の着信音がなったので取ってみると

「今すぐに会社に来い」

「どうしたんですか」

「会社にくれば分かる」

とだけいわれ

「先輩すいません会社から呼び出しです」

会社に着くと

「部長、どうかしたんですか」

「Bが交通事故でなくなったんだ」

「え!」

私は何が起こったか
一瞬わかりませんでした。

そして考えました

必死にさっきまでいっしょだったのにと思いながら
しかしそうはいっても明日からの仕事はありますし
家に帰りました。

「あー遅刻だー」

と思いながら会社に急ぎました。

そこにはいないはずの先輩のすがたがありました。

今も自分が死んだことには
気が付いていないのかも知れません。

今は会社をやめて違う仕事をしています。

ときどき思うのです。

今も先輩は・・・

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