大学で知り合ったA(女)から聞いた話。
その家は母親:働き者
父親:体も気も弱い人
娘:A(当時幼女)
の三人暮らしだった。
小さくて古いながらも庭付き一軒家。
しかし、
父親が知人にだまされて借金の保証人にされてドロンされ、
結構な額の借金を背負わされることになった。
母親は過労も重なって入院。
借金の取り立てが来るが、
父親は見るからにひ弱で、
タコ部屋に入れたって使い物にならないのが判りきっているし、
脅そうが怒鳴ろうが意味がない。
入院している母親は勤め先ががっちり守っている。
Aは幼いから風俗で働かせるわけにもいかず、
頭を抱えてしまったらしい。
家売ったって大した額にもならないし。
しかし、取り立ての仕事はしないといけないから、
「てめぇ!真面目に働けよ!」
とかお説教モードになってしまう。
その日は取り立ての兄貴分も一緒に来た。
舎弟がいつものごとく
「人間真面目に働けばな!」
と労働を促している脇で、
兄貴分が犬のぬいぐるみを抱きしめて、
黙って座っているAをじっと見てから、
「その子、ちょっと貸してくれないか」
と話しかけた。
Aは黙ったままうつむいたけど、
兄貴分に
「絶対に酷いことはしない。約束する。
ちょっとだけ貸してくれないか」
と頼まれ、差し出した。
すると兄貴分は、
自分の鼻とぬいぐるみの鼻をくっつけて何秒かしてから、
「ありがとう」
と返してくれた。
そして父親に
「シャベルねぇか」
と話しかけ、無いと言われると、
舎弟を事務所に行かせてシャベルを持ってこさせ、
父親に
「庭のな、ここを掘れ。
おまえん家なんだから、
俺たちが掘るわけにゃいかねぇから」
と命令した。
十回くらい掘ったら、
アタッシュケースが出てきた。
開けてみると、
昔の一万円札の束がぎっしり。
借金はその半分以下で間に合ったため、
「どうせこれ埋めた奴は取りに来ねぇよ。
それでも心配なら、
来た奴にこの名刺見せて『こっちに行ってくれ』っつって構わねぇから」
と、事務所の名刺を渡した。
そしてAに、
「友達は大切にな」
と言って帰って行った。
どう考えても、
大金の場所をぬいぐるみから聞いたんだよね…。
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コメント
コメント一覧 (8)
でも何故 ぬいぐるみは 庭に埋まってるお金の存在を知ってたのか…
兄貴ぃぃーっ!
幼いという理由がおかしい
こりゃまたふしぎな話だ。
だが、とても興味深い
明らかに取り立てはヤクザだが
妙に情っぽい
マンガに出てくるヤクザのようだ
兄貴は始めてきたようだから、ある程度取り立てに長引くと、
くるような感じなのかしら。
一体どういうことだ?
レイシやサイコメトリの能力があったとして、
その犬はどこから来た?
Aは主の友達なんだから、聞けるでしょ。
埋めたやつが持っていたものならガテンも行くけど、
そんな札束を埋めるやつは大人だろうから、
そんな犬を持っているとは思えない。
となると、犬が見ていた?
旧札の1万円サツは1986年。
今が大学生なら23くらいとすると、もっむかしになる。
その当時で古い一軒家といっているので、もっと古い家と思われるから、
イヌももっと古いかもしれないけど
不確定要素が多すぎて推測できない。
引っ越してくる前からイヌはと考えれば、可能性はある。
サイコメトリだったとしたら、ふとした瞬間に触れてしまったのなら、情報が流れてくる可能性はあるけど、見ただけで、自分の業務に関係があるとわかるのは難しい。
となると、やはり心霊的な方か。
の考察読んで思ったんだけど、ぬいぐるみ、よりもその家にむかしからいた霊的な何かが(神様でも、人の霊でも、動物霊でも)女の子の犬のぬいぐるみに乗り移ってたとか宿ってたとかそんな感じかなと思いついた。
違うかもしれないけど、1人じゃ不思議な話だなーで終わってたろうからありがとう。
かっこよすぎるだろ。