厨房の頃、塾の先生に聞いた話。

先生が塾の講師になって間もない頃、
ある冬の夜に友人3人と遊んでいた。

で、午前1時くらいになって寒くなってきたから
友人の中で一番部屋が広いAの家で泊まる事にした。

Aは親と住んでいるのだが、
丁度親が泊まりで旅行していて自由に使えるらしい。

最初のうちはリビングで酒飲んで喋ったりしてたんだけど、
そのうち一人の女の子(仮にBとする)が
具合が悪くなったようでぶるぶる震え出した。

先生やAがどうしたのか聞いたところ、
窓の側の木に人が立っている、という。

だがそこを見ても誰もいない。

Bは霊感が強く、冗談を言っている風にも見えなかったので
カーテンを閉め、そこでお開きになり、Aは風呂に入り
Bともう一人の女の子は部屋で寝ることにした。

先生はリビングで寝る事になり、
布団を敷いて気分を紛らわせるためにオーディオを付けた。

そのオーディオは音量の調節がダイヤル式なのだが、
電源を入れた瞬間に先生の目の前で
勝手にダイヤルがぐいーんと回り、最大音量になった。

先生は訳が分からず唖然としていた。

その音で全員がリビングに集まってきた。

Aが慌てて音量を下げ

「お前音上げすぎだよ、時間考えろよ」

と言った。

「いや、俺は何もしてないのにこのダイヤルが回ったんだ」

先生は必至に弁解するが誰も信じない。

と、その瞬間再びダイヤルが勝手に回り始めた。

全員驚いたが、もう酔いにまかせてさっさと寝ることにした。

だがその時、Bがオーディオを指差しこう言った。

「コンセント抜けてるよ…」

更に次の瞬間、窓を閉めているのにカーテンがゆらゆら揺れ出した。

霊感の強いB以外の三人はもう口もきけず、
がたがた震えていたらしい。

Bはリビングの中央に立ち、

「今部屋に入ってきてるからじっとしていて」

と言った。

三人は言われた通り動かずにいたのだが、その時先生は見た。

リビングの窓の反対側、廊下がありその先に玄関がある。

その玄関のドアのノブが自然に回り、
ドアが開き、そのまま閉まったらしい。

Bが言った。

「今出て行った…」

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