高校時代の友達の彼氏の話です。

友達の彼氏はすごく明るくて面白い人で、
私が友達に電話するとその彼氏が出て、女声で

『はい(友達の名前)でーす。超久しぶりだね!』

などとふざけるのが、
御約束みたいになっていました。

その彼氏は声に特徴のある人で、
某声優の声に似ていた為、
オタクな私は大変嬉しくも羨ましくもありました。

高校を卒業し、
私と友達は地元と都会と離れ、
自然と疎遠になりました。

連絡も殆どとる事なく、
5年の月日が流れました。

私は結婚する事になり、
荷物をまとめている時にプリクラ手帳を発見しました。

それを見ているうちに私は急に友達の事を思い出し、
電話をしてみる事にしました。

5年も連絡をとっていなかった為、
番号変わってるかもなあ、
もう私の事忘れているだろうな、
と不安もありました。

電話の奥で待ち歌が聞こえた時ふと、
友達の彼氏の事を思い出して笑ってしまいました。

流石にもう別れたかな?
いや結婚してるかも!
と考えながら待っていると、
プッと繋がる音がしました。

私は

「もしもし?」

と声を掛けると、
電話の奥で

『(私の名前)!?え!久しぶり!』

と、友達の元気な声が聞こえました。

私たちは連絡の途絶えていた5年が嘘みたいに、
お互いに色々な話をしました。

友達は独身との事。

ただその彼氏について友達の方から触れてこないので、
ああ別れたんだなあと、
私も何も聞きませんでした。

10分ほど会話をしている時、
私はある事に気付きました。

友達が話す向こうで男の人の声が入るのです。

初めはボソボソと聞こえ、
テレビの音かなと思っていたのですが、
徐々にはっきりとしてきました。

友達が話し終え、
私が話し始めるわずかな間に、
『アハハ』と笑う声や、
『うんうん』『バカじゃねーの』などと相槌のような声が聞こえます。

その声に覚えがあった私は、
もっとしっかり聞きたいと無言になると、
友達は

『ん?どうしたの?』

と声を掛けてきました。

私は

「側に(友達の彼氏)いるね。
まだ付き合ってた?」

と言うと、友達は

『え?誰もいないし!』

と声を張り上げました。

私は友達の反応に驚きながらも、

「そうなの?
でもさっきから男の声でうんうん言う声が聞こえるよ。
(友達の彼氏)の声にメチャクチャ似てたからさ…」

と答えると、友達は

『メールにしよう』

と電話を切ってしまいました。

すぐに友達からメールが入りました。

内容は、

『(友達の彼氏)は数年前に亡くなった。
その頃すでに別れていたが、
亡くなった直後から電話口で声が聞こえるよと言われるようになった』

と書かれていました。

私は大変驚いて、

『それヤバくない?お祓いとか行ったら?』

と返すと、

『初めは本当に怖くてお祓いに行こうかと思ったけど、
彼の声が聞こえると言う人は、
生前に彼と仲の良かった人ばかり。
きっと私を通じて皆と話がしたいんだなと思うと、
切なくて好きにさせている』

との事。

今では周りも慣れてしまい、
彼と仲の良かった男友達なんかは、電話中に

『(友達の彼氏)もそう思うだろ?』

などと声を掛ける人もいるとか。

『だから(私の名前)も、
たまには電話してきて声を掛けてちょうだいよ』

と。

私はボロボロと泣いて、
また電話を掛けました。

友達も泣いています。

彼氏の声は聞こえませんが、
何となく泣いているのかなと思いました。

しばらく思い出を語った後、
友達が笑いながら言いました。

『でもさ、私には一切聞こえないから虚しい。
上手いこと利用されているようで腹が立つ』

と。

思わず吹きました。

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