修学旅行の日、
なんとも言えないワクワク感と
変なテンションになる事があるでしょう

しかしそのテンションのまま恐怖体験をしたら
どうなってしまうのか?

これはその時に体験したお話である。

修学旅行の前の日にチーム編成のプリントを配られた際
私は少し嬉しかった。

仲の良い友達、
彼はAとしましょう。

そして特に普段目立たないB

見た目は女だけど男のC

そして私の4人一組のチームで
この時までは友達のAが一緒だった事が嬉しく感じていたのだ

そして旅行の日を迎えた。

私達の学校はなぜか、

「ここが本当に旅館?」

と思えるほど、
酷くおんぼろな旅館でした。

なんでも学校側は
殆どタダみたいな値段だからここを選んだんだ
という噂をチラホラ聞いたので
そういう事か、
と納得してしまいました

生徒達は現地の旅館に着くやいなや一斉に

「えぇ~~!!!」

と不満気な声を挙げています

それを聴いた先生は言いました。

「年代物の味が出ていて良いじゃないか」

と言い、
旅館の壁を触った途端
ボロボロと壁の表面が崩れ始めます。

これには先生も

「ハハ・・」

と苦笑いをするしか無い様子。

しかしこういう場所ほど中は綺麗で
思っていた印象もガラリと変わる設備が整っているのです。

先生はどうも下見には参加してなかったのか中の様子を見るや
本気の声の

「おぉ!!」

と言い
ほっと安堵の胸をなでおろすのでした。

旅館は3階建てで
私達の部屋は3階の一番奥にありました。

雰囲気は悪くないのですが
チームメイトの一人Bが

「・・・来る・・・」

と呟いた

ちょうどBの隣にいた私だけ聞こえました。

しかし私は何のことだか解からなくて
その時は気にも留めていませんでした。

ここはもしかして知る人ぞ知る名店なのでは?
と思えるほど料理も美味く
温泉も広く外から見える景色は
表に見えた旅館の建物で後ろが解からなかったが
とても綺麗な燦々とした山々の景色が広がるじゃありませんか。

私が入る前から
早々と他のチームと混じってBが入っていましたが
お互いゆっくりしていると
AとCがお互いをチョッカイをだしながら入ってきました

A「お前、本当に女みたいだなぁ!!」

と胸の辺りをつつきまくる

C「やめろよ!!ちょっ、まじやめろって!」

と手を払いのける

そんな会話を一頻りおえた後
お土産コーナーを見て回り
施設内のゲームセンターで私達は個々に遊び終えた後
部屋に戻りました。

部屋に戻ると私達の荷物は隅に寄せてあり
布団が敷かれていました。

いつの間にか夜になっていたんだなぁと
私は変なテンションになり
4つ並べてあった布団に飛び込み
ゴロゴロし始めました。

AとCは私の体を押さえつけ
布団が乱れる!やめろ!とか叫んでましたが

Bは

「来た・・・」

と言ってました

私は

「ん?なんの事」

とAとCの罵声を無視して答えます

B「いや、なんでもない、気のせいかも」

私「???」

恒例のまくら投げはせずに、
私達は内緒で持ってきた当時流行っていた初代ポケモンで
交換やら対戦等して遊び終えた後布団に入り込みました。

夜中になり修学旅行特有の変なテンションで
私達は一向に寝れません

そして深夜2時だったでしょうか

窓際の方からカツンカツンカツンと音がします

C「あれなんの音?」

私「なんか叩いてる音?」

C「うん・・・」

ふと窓際の方を見ると
謎の黒い靄が形容しがたい形に変えながら

「カツーンカツーンカツーン」

私はそれをじーと見ていると
その音の出どころが解かりました

黒い靄から歯が見え、
そこからカツカツと聞こえるのだ

それが解かると私は
布団が隣同士だったCに
抱き枕のように抱きつき震えました。

C「な、なんだよ!きもちわりーな」

と小さく私に話しかけました

私「ば、ばか窓際にバケモンがいるんだよ!」

Cは驚き窓際に目をした途端

「カツーンカツーンカツーンカツカツ」

とCにもあの音と共に歯が見えた時、
恐ろしさのあまりか
何を思ったのか私に突然抱きつきキスをしてきました。

私は恐ろしいのとわけわからないのとで
口も手もCによって塞がれてしまったので
鼻で息をするしかありません

この状況の中
Bはスッと立ち上がり
突然枕を窓際に投げたかと思えば

「ガシャーン」

割れたのです、窓が。

私は驚き
Cを振りほどこうとしたが
Cは何を思っているのか気づきもしないし
力は強まるばかり。

そこで飛び起きたAは

「何事ぉ!」

と言い、
咄嗟に部屋の電気を付けた。

その時まだ私とCが抱きつきあいながらキスしている状況に
窓が割れている方向より先に
私とCの方に目をやって
驚きざまに大笑いをした。

Cは己のしている事にハッと気づいたのか
私を押しのけ事の次第を焦りながら説明

私はポカーンとして、
何が起こったのか解からず割れた窓の方を見てました。

この時バケモノは当然の展開のように消えていて
割れた窓ガラスが散乱していました

後にCと私は、
そういう関係なんだという噂が
Aによって後に学校中に広がってしまいます。

窓を割ったBは
割れた音が他の部屋にも聞こえたのか
しばらくして
他の生徒からの通報を受けた先生によって怒られていました。

修学旅行が終えて
通常通り学校を通い始めた放課後Bから

B「よかった、
あのままだとお前はあれに人格ごと入れ替わっていた」

と言われました

それは見えたCも一緒で危なかった、
との事。

B「普段大人しかった子が急に性格が変わるのはアイツの仕業の場合もある。
通常は見えず、本人も気づかず、記憶だけは変わらず、性格が変わる。
見えたのは全神経を変にはりめぐらせていたのだろう」

とか訳のわからない事を言ってました

古びた旅館には
そういう類が居るのは珍しい事では無いらしい

私は「B・・・お前は一体なんなんだ」

と思ったが
当時あまり興味なかったのか追及はしなかった

Aは簡単に友達を売るような事から、
仲の良い友達から
ただの友達として降格されました

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