千葉のとある町。

彼は夜、
ちょっと遠くのコンビニに行こうと
自転車でマンションを出ました。

途中の暗い道に和服の女の人が居ます。

「あの、○○さんの御宅はどちらでしょう」

彼は地元じゃないし、
知らない名です。

「ちょっと僕はわかんないんで、
警察署がありますんで…」

それでも

「○○さんの御宅はどちらでしょう」

と繰り返す女性。

気味が悪くなって彼は、

「すみません」

と自転車を漕ぎ出しました。

その先に、誰かがいます。

ほっとして彼が近付くと、

なんと、それは…

それは、日本刀を振り上げた
明治時代の(?)軍人だったのです!!

軍人の足元には男の子が…?

次の瞬間、

「ああああ」

彼は声にならない叫びをあげました。

軍人の刀が。

男の子の首に振りおろされ。
首がころころと彼の方に…!!

声も出せず、
彼は自転車で元来た道へ逃げました。

そこにはさっきの女性。

「○○さんの御宅は…」

彼は女性の声を無視して
必死で自転車をこぎました。

全力で走らせました。

ようやく離れたか、と思う頃
耳もとで

「○○さんの御宅はどちらですかああああ」

さっきの!あの女性が!

歩くと言うよりスライドしながら
全速力の自転車の横を
スーーーーーーーーーーッ
と追って来ている!!!

彼は自分のマンションを通り過ぎ、
自転車を投げ捨てるように止めて
ファミリーレストランに入りました。

女性はついて来ません。

彼は明るい店内にほっとしました。

二時間ほど気を沈め、
彼はマンションに帰りました。

マンションに帰って、
彼は異常な空気にすぐ気付きました。

間もなく衣擦れの音、
鐘の鳴る音、
子供の笑い声が室内で聞こえ…

近所に友人がいない彼は
恐怖を紛らすため
私の友人Sさんに電話しました。

夜中でしたが、
怯えように驚いたSさんは
彼の話を聞いてあげていました。

その時、
電話口でSさんは確かに聞いたのです

ちりーーーん
ちりーーーん

という鈴の音が、
彼の後ろで鳴っているのを…

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