去年の夏のお話

うちの近所によく殺人が起きてた古い団地があるんだがな

夜に犬の散歩でその団地の敷地内を歩いてたんだよ。

まあなぜそんな場所を通っていたかっていうと、
まぁ、好きな子の家がその付近なんだな。

だからあえてそのへん歩いてたんだが

夜も結構深まってきた12時頃だったんで当然人はほとんどいない。

ましてや団地内なんて人はいないんだよ

あついなぁとか思いながら歩いてたらな、
セミの鳴き声に混じって足音が聞こえるんだ

初めは幻聴か団地の建物に反射した自分の足音だろう、
とか思ってたんだ

その足音はずっと聞こえててな、
周りに建物のない広場みたいなところに来てもずっと聞こえるんだ。

流石に怖くなってな

殺人がよくあるって言うのは知ってたし、
まさか変質者が出たか?とか思ってた足早に歩き始めたんだよ

もう怖くて怖くて、
携帯を見ながら気にしないようにして歩いてたらさ、
急に犬がビタっ!って止まるんだよ

なんで?と思って
その時俺見ちゃいけないもの見たなって思って後悔した。

携帯の端(わかるかな?携帯の後ろに見える景色ね)に足があるんだよ

嘘じゃん、
って思って流石に怖かったから逃げようとしたんだが、
足が動かない。

足だけが目の前を歩いてた。

必死に南無阿弥陀仏唱えてそれでもいなくならなかったから、
ああ!もう!とか思って半泣きになってた。

その時急に犬が吠え始めてな。

その吠える声でずっと体が動くようになった。

急いで来た道を犬抱えて全力ダッシュして逃げた。

あの時以来あの団地は通ってないけど
あれはなんだったんだろうか?

【意味怖】意味がわかると怖い話の最新記事