小さい頃、
婆さんの家系の墓参りに行った。
広い墓地で、
わが家で決めた目印は
『樫の木を曲がって三番目の墓』だった。
その年も樫の木を曲がって三番目の墓に行ったんだが、
樫の木の下で、
数人のオヤジ達が茣蓙を広げて宴会をしていた。
当時幼かった私は不思議に思わなかったんだが、
「どっから来たの?ジュース飲むかい?」
とオヤジに話し掛けられ、
そのまま樫の木の下に突っ立っていた。
しばらくして墓参りを終えた家族が戻り、
樫の木の下にいた私に
「そんなところでなにをしているのか?」
と聞いた。
振り返るとオヤジたちはそこにいなくて、
オヤジに貰った飴玉だけが手に残っていた。
墓のど真ん中で宴会なんて、
成長した今で考えれば有り得ないんだが、
もしあれが墓で眠っている人々ならば、
あの時呑んでいた酒やツマミはお供え物なんでしょうね。
その後、私はその墓に参拝に行くときは、
樫の木の下にも供え物をしている。
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コメント
コメント一覧 (8)
心が癒されますね。
お供え物の飲み物って大体ワンカップはちっさいスーパードライだもんな
飴も普通は供えないけどな
もちろんそれは幻想だったのだろうが、多分、嫁さんの先祖たちに認められたんだろうと思い、そのことを嫁さんに話したら、納得されたようだった。
墓参りどころではないかと。
バターボール、パイン飴、サクマ……まさかミルキー?
メーカーが気になる所である。
お返しに、ご先祖様にもチェルシーあげたい。
先祖と一緒に花見をしている気分になれるのかもな。
日本人は本当に桜が好きで死ぬ前にもう一度花見が出来たらいいなと言う人は
多いらしいね、墓場で花見も供養になるだろうね
墓前でピクニック兼宴会兼墓参りが基本。
しまんちゅには分かってるんだろうなあ。