俺は物心ついた頃から、
夢の中に度々同じ人物が出て来ます。

起きてもしっかり内容覚えてる夢ってありますよね。

そんな夢には決まって同じ女性が登場するんです。

初めて気が付いたのは小5でした。

夢の中で家の近所を歩いてた俺は、
婦人警官に呼び止められ、
何故か名乗ってもいないのに名前を呼ばれました。

その時、その婦人警官が
これみよがしにデカい名札を付けていて、
名前を確認する事が出来ました。

仮名をAとします。

「あ、同級生と同じ名前だ」

その時そう思った所で目が覚めたのですが、
起きてから考えると、
同級生にも知人にもAという女は居ないのです。

その後もAは夢に出続けました。

クラスメイトとして出た時も、
まるで昔からそうであったように
違和感無くクラスに溶けこんでおり、
登場するのに台詞が無い時さえありました。

ただ共通して言えるのは、
Aが出る夢はA以外は全て実在する人物で、
実在する場所で構成された夢だという事です。

例えるなら、

登校する→授業→給食→友達と他愛無い会話→帰宅

この流れに、勝手にAが混ざっているんです。

毎回顔も名前(フルネーム)も同じ。

夢の中ではいつの間にか旧友になってしまったA。

夢から覚める度に不気味になった俺は、
19の時に本気でAを探し出す事にしました。

「ひょっとして、
無意識に聞いた名前を勝手に想像膨らませただけかも」

そう思い、Aの名前は明かさず、
夢の話だけを弟に打ち明けました。

すると弟はみるみる青ざめて、

「俺も出てくるんだ。
俺がお兄ちゃんになる夢を見る事があるんだけど、
その夢を見る時、毎回同じ女の人が出るんだよ。
…Aって人じゃない?」

驚いた事に、名前も容姿も同じ女Aは、
弟の夢にも10年近く出続けていました。

しかも、弟が俺役になる夢に限って。

Aはまだ夢に出てきます。

ただ、未だに誰なのか分からないんです。

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