俺は全く霊感が無く、
もともと幽霊とか怖くて嫌だったので
霊感が無くて本当によかったと思ってる

だけど一度だけ体験した話を。

大学二年のある時期、秋頃かな、
うちで友達数人で宅飲みの後、
飲み明かし珍しく皆潰れてしまった。

明け方、まどろむ意識の中夢を見た

基本俺の夢には色が無く、
その日は白い空間をダラダラと歩いていた

ふと足元に、腕時計が落ちていた

拾い、夢の中で俺は言った

「誰のだ?」

真横には長い黒髪で顔が見えない女

「私のだあー!!」

一瞬にして眼前まで女の顔が近づく

「うひゃあ!!」

俺は叫びながら起きた

「どしたの?」

すでに一人起きていた友達がびっくりしていた

怖い夢をみたときに
周りに家族や友達がたくさんいるほど安心することはない。

まぁリングかなんかの影響で

「長い黒髪の顔が見えない女」

が怖いと頭の中で作り上げて
たまたま夢に出てきたんだろ、
その日はそう思った

さて翌日もいつも通り学校に通い、
サークル室でスマブラをし、
ラーメンを食って家に帰るという
自堕落な大学生活を送った。

昨日の夢などとうに忘れ、
その日は一時過ぎには床に就いた。

また白い空間

また歩く俺

その日は歩くというよりふわふわと飛ぶような

今度は靴だった

「誰のだ?」

また横にいる女

「私のだあー!!」

今度は汗びっしょり半泣きで目が覚めた

部屋の電気を全部付けテレビも付けた

どうでもいい健康食品の通販がこの上ない助けに思えた

きっとアレだ、
昨日みた夢を潜在的に覚えてて
今日もみちゃったんだ、そうだそうだ

自分に言い聞かせると家を出た

その日は授業は無かったが
家にいるのも寂しかったので
大学のサークル室へ

夕方、後輩Hがサークル室に来た

昨日一昨日のことを話すと、
多分映画漫画とかの怖い話が混ざって夢でみたんだろ、
とのこと

だよねーと同意した

でももしヤバそうなら
知り合いに霊媒師的な人いるから言ってねとのこと

なんでそんな知り合いいるのかと思ったが
一応頭の片隅には入れておくことに

その日の帰り、
俺の家は駅の北口の先にある南口が栄えていて
北口は寂れた住宅街だ

家賃安いからね

駅から家までは徒歩五分くらい

薄暗い道を歩いていると、
電柱の陰にうっすらと何か見えた

あれだ

夢で一瞬しか見えなかったあれだが覚えている

だらりと長い髪はそれこそ「貞子」

ヒッと声をあげもう一度みるともういなかった。

よくこういった怖い話で、
こういうモノをみてしまっても
そのまま家に帰る人がいるが理解できない

全速力で人のいる駅まで走り、
半泣きで後輩Hに電話をした。

今日はそいつの家に泊めてもらうことに。

そいつを待つ間も
人の多い本屋で震えて待った

Hも流石に俺の様子を見てやばいかもと思ったらしく、
今日も夢に出たら霊媒師のとこ行くかと提案したが
ビビりまくりの俺は
もうさっきみたからすぐに霊媒師にあわせろと懇願。

電話してもらい
明日の朝に会わせてもらえるとのこと

つまり今夜は耐えなきゃいけないのか。

まるで漫画のような展開

Hの家で電気テレビ全開で寝ずの番?を開始する

Hにしちゃいい迷惑だったが
こっちはそれどころではないと願い込んだ。

明け方までHとゲームに盛り上がり、
無事守りきったかと思った。

油断したんだ。

漫画みたいだけどさ。

Hとはトイレにすら同行し、
常に一緒にいるようにした。

まあ変なように聞こえるが
俺のビビりっぷりを思えばわかってもらえるかも。

明け方、
Hがトイレに行った。

行ったと行っても1K、
トイレはすぐ横。

油断した俺は流石にもう大丈夫だろ、
と安堵の顔

バァン、バン

窓が二度と強く叩かれ、
カーテン越しに何かが現れた。

手で叩くと言うよりは
上からぶら下がったモノを叩きつけたような

ここは3階

カーテン越しの窓で、
指で窓をこすったときの
独特のキュッ、キュッという音がした

恥ずかしながら
生まれて初めて怖くて小便を漏らした

Hの声が聞こえない、
俺も動けない

キュッ、キュッと音がなり
窓の外で動いているのがわかった

Hがトイレから飛び出し、
ケータイを持った

「なんで俺まで!!」

そう言いながら霊媒師に電話をした

「家から出れない」

そう言った

Hはトイレの中で金縛りにあっていたそうで、
起きたまま金縛りなど初めてであったとのこと

一時間ひたすら待った。

一時間後、霊媒師のおっさんが来た。

衣装でも着てるかと思ったが普通のおやじ。

だが俺は心の底から有り難かった。

おやじが俺に聞いてきた

「最近彼女と別れたりしてない?」

ギクリと思った

まさにその通りだった

「あれは男に未練があるヤツだね、
君が傷心気味なのにたまたま気付いて
一緒にいようと思ったんだね」

おやじにお札を渡され、
なにやら肩にバシバシ叩かれ、
終わった

その後夢に出てくることもなくなったけど
あの長い髪はいまでも覚えている

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