私が小学四年の時に、
他所から転校してきたYって子がいたんだ。

同じクラスになったってだけで、
多少の話をする程度の、大して親しい間柄でもなかった。

だけど彼女は事ある毎に、私に

「大丈夫だよ」

って、ここ一番って時に声をかけてくれてたんだよね。

当時は、
大して親しい人間でもない私にどうしてそんなに気を遣ってくれるのかな、
程度にしか思ってなかった。

で、そのYなんだけど、
小学六年の卒業間際にまた転校してしまって、
それっきりなんだ。

それから数年経って、
高校の合格発表の時。

私はもうガクブルで、
合格発表の張り紙がされてる掲示板に向かって歩いてたんだ。

そんな時ふと自分の後ろから、

「大丈夫だよ」

って声が聞こえてきたんだよね。

誰だろって後ろ振り向いたんだけど、
誰もいなくてさ。

でも、その声を聞いて凄く心が落ちついて、
今までの緊張が嘘のようになくなってた。

高校も無事受かってたし。

それからかな。

自分がえらく緊張してる時とか、
ここ一番って時に、その声が聞こえてくるようになったのは。

といっても、数える程度なんだけどね。

で、今の嫁さんにプロポーズする時に、

「もう大丈夫だよね」

って聞こえてから、
それっきりその声は聞こえない。

ずっと時間は進んで、
つい一ヶ月前にあった同窓会。

そこでふとYの話が出て、

「あの子今どこにいるんだろ」

とか、

「お前、妙に親しかったよな」
(大して親しくねえよ)

とか、そんな話で盛り上がった。

それで、そういえばあの謎の声はYのそれと同じだったよな、
と思い出したという話。

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